外国選手の見極め

最後のキーワードは「補強」である。新潟は、2003年に引退した神田勝夫を翌2004年より強化部長に据え、一貫した体制作りを行っている。今季も当初の監督であった吉田達磨監督は9月27日に解任され、片渕浩一郎監督をコーチから昇格させた。その時の就任会見で「選手のパワーを120%引き出したい」という言葉を述べたがその通りの結果となった。

新潟は、活躍した選手は引き抜かれ毎年その分を外国人、期限付き移籍、シーズン中の効果的な補強で乗り切ってきた歴史がある。ここでは、特に大きな原動力となった主な外国人の成績を見てみよう。

2004年
FW:エジミウソン(29試合15得点)、オゼアス(12試合4得点、途中加入)
MF:ファビーニョ(27試合9得点)

2005年
FW:エジミウソン(33試合18得点)
MF:ファビーニョ(26試合8得点)
DF:アンデルソン・リマ(30試合8得点)

2006年
FW:エジミウソン(25試合10得点)
MF:ファビーニョ(23試合4得点)、シルビーニョ(30試合3得点)

2007年
FW:エジミウソン(29試合19得点)
MF:シルビーニョ(22試合1得点)、マルシオ・リシャルデス(28試合9得点)

2008年
FW:アレッサンドロ(30試合13得点)
MF:マルシオ・リシャルデス(24試合3得点)

2009年
FW:ペドロ・ジュニオール(21試合10得点、途中退団)、エヴェルトン・サントス(11試合0得点、途中加入)
MF:マルシオ・リシャルデス(29試合10得点)、チョ・ヨンチョル(25試合1得点)
DF:ジウトン(25試合2得点)

2010年
FW:チョ・ヨンチョル(29試合11得点)
MF:マルシオ・リシャルデス(26試合16得点)、ミシェウ(27試合4得点)、ジョン・パウロ(8試合0得点、途中加入)

2011年
FW:ブルーノ・ロペス(32試合13得点)、チョ・ヨンチョル(25試合6得点)、アンデルソン(11試合1得点、途中加入)
MF:ミシェウ(30試合6得点)

2012年
FW:ブルーノ・ロペス(32試合7得点)
MF:ミシェウ(26試合4得点)、アラン・ミネイロ(22試合3得点)
DF:金珍洙(23試合1得点)

2013年
FW:ブルーノ・ロペス(9試合0得点、途中退団)
MF:レオ・シルバ(32試合1得点)、ホージェル・ガウーショ(7試合1得点、途中加入)
DF:金珍洙(31試合1得点)、キム・クナン(19試合2得点)

2014年
FW:ラファエル・シルバ(7試合1得点、途中加入)
MF:レオ・シルバ(33試合6得点)
DF:金珍洙(12試合0得点、途中退団)、李明載(5試合0得点、途中加入)

2015年
FW:ラファエル・シルバ(17試合7得点)、ラファエル・ハットン(出場なし、途中加入)
MF:レオ・シルバ(25試合4得点)
DF:コルテース(26試合0得点)、林裕煥(4試合0得点、途中加入)

2016年
FW:ラファエル・シルバ(23試合11得点)、カリウ(2試合0得点)
MF:レオ・シルバ(32試合5得点)
DF:コルテース(27試合1得点)

特に2004年から2011年までは必ず外国人選手が二けた得点を決めている。また中盤に攻撃的MFかボランチで必ず屋台骨となる選手がいる。かつてでいえば、マルシオ・リシャルデス、今で言えばレオ・シルバがそれにあたる。最後に左サイドバックといった優先度だろうか。

また、途中で他のクラブへ引き抜かれる途中退団、夏場にかつてのオゼアスのように残留のための補強をするのは、今や新潟の風物詩である。2015年、2016年と夏場に大きな動きを見せなかったのは異例と言える。むしろハッピーターンでおなじみのレオ・シルバが残留してくれたのが最大の補強なのかもしれない。

このように新潟はチームとして残留を勝ち取るだけの体制を築き上げている。サポーターからすれば一桁順位やACL争いといったもう1つ上に定着するために新たな試みをしてほしいところだろうが、これだけの継続性は見事である。

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