昨年のJ3を制し、今年初めてJ2の舞台で戦っているレノファ山口がノリにノッている。

前節、下位に沈むツエーゲン金沢に不覚をとったものの、それまで引き分けを挟んで5連勝&7試合負けなしと見事に昇格争いを演じているのである。

チームの快進撃を支えるのはその圧巻の攻撃力だ。

山口にはJFL、J3で連続得点王に輝いた岸田和人という絶対的なエースがいる。その成り上がりっぷりから、筆者は「岸田は山口のヴァーディになれるのか?」というネタまで密かに考えていたのだが、2ゴール目を決めた3月の松本山雅戦で負傷し、戦線を離脱してしまった。

にもかかわらず、チームの攻撃力は衰えるどころか破壊力を増してきている。

敵地に乗り込んだ15日のセレッソ戦は先制したものの、メネゲウ、柿谷にゴールを許し逆転される苦しい展開に。しかし、後半、怒涛のゴールラッシュでこのJ2屈指のタレント集団を4-2で撃破してしまったのである。

特に山口の勢いを象徴しているかのようなゴールが2点目と4点目だ。キーワードは、「とにかく速い山口!」。

2点目のゴールは1点を追う66分に生まれた。左サイド深い位置でのスローインから、福満隆貴のダイレクトでのクロスに、飛び込んだ鳥養祐矢が頭で合わせたのだが、

な、なんちゅうスピードや!クロスも速けりゃ、ゴールまでも速い!スローインから全てがワンタッチ、たったの4秒でゴールを決めてしまったのである。

この後、逆転に成功した山口は終了間際の86分、4点目のゴールを小池龍太が決めるのだが、こちらもすごかった。

いつぞやのアポジを彷彿とさせる、鬼のような高速カウンターだ!

島屋八徳がドリブルで抜け出した際、3人もの選手が後ろから猛烈な勢いでオーバーラップ!しかも、圧巻のスプリントでゴール前に飛び込んだ小池は、12分にJ2初ゴールとなる先制点を決めており、先発から起用されていた選手だ。

それが86分という時間にこの速度で、これだけの長い距離を走り、この日2点目のゴールを決めたのである。化け物か。

ちなみに映像は途中からだが、こちらも奪ってからゴールまで約10秒ほどであった。

【次ページ】1点目と3点目は華麗なパスから!