毎年多くの選手が流入するプレミアリーグ。多くの選手が英国行きを望む背景にはその資金力の高さがあるといわれており、プレミアリーグでプレーする選手たちの平均的な給与は世界一といわれている。

しかし、高額の移籍金と給与を支払ったとしても活躍するかどうかはわからないのがサッカーの世界。プレミアリーグ特有の激しさに合わない者もいれば、監督の戦術に適応できない者、そして英国の環境に馴染めない者などもいる。

プレミアリーグで活躍できなかった選手たちの中は山程いるが、『Irish Examiner』が報じた特に給与が高かった割に活躍できなかった選手たちについて、ご紹介しよう。

ウィンストン・ボハルデ

元オランダ代表DF。1990年代の黄金期のアヤックスのメンバーで、パトリック・クライファート共にミランへ移籍。その後バルセロナへと渡り、2000年にチェルシーに加入した。

チェルシーでは4年の時を過ごし、クラブで最も高給取りの選手の1人だったが、プレミアリーグでの先発はわずかに2試合。理由はボハルデ加入直後にジャンルカ・ヴィアッリの後任として指揮官になったクラウディオ・ラニエリが構想外としたことによるものであった。

しかし、ボハルデとチェルシーの契約は週給7万ポンド(1100万円)という高額の4年契約。獲得を望むクラブは現れず、ボハルデはチェルシーに残る選択をした。

その後クラブはボハルデの追い出しに乗り出す。リザーブチームでユース選手と共にトレーニングすることを命じるなど非常に露骨なものであった。だが、ボハルデは4年契約を全う。2004年にクラブを退団した。

チェルシーでの出場はわずかに12試合。ボハルデはその間に1000万ポンド(およそ15.7億円)を受け取ったという。この燃費の悪さが話題となり世界中で“ネタ”にされたが、選手本人だけが悪いとするのは問題だろう。獲得後にヴィアッリを更迭したクラブ側の問題もあるはずだ。

また、30歳目前という年齢で加入したことを考えれば、移籍先が見つからなければ契約を遵守して引退した方が自らのためになるからだ。

フットボーラーは「お金のためじゃない」としばしば発言するが、現役引退後の人生の方が長い。フットボーラーとしての野心が足りなかったのかもしれないが、ボハルデの選択を問題視するのはお門違いだろう。

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