つい先日、チェルシーが来季からアントニオ・コンテを指揮官に招聘するというニュースが飛び込んできた。

おおよそ既定路線と見られていたこのオペレーションだが、また新たな外国人監督がイングランドの地にやって来る。

かつて、リオ・ファーディナンドはホーム・グロウン・ルールの採用を支持するにあたり(彼が賛成していたのは、頭数を合わせるだけとなっている今日の現状ではなく、規制の本来の狙いに対してである)、このようなプレミアリーグの多国籍化が進めば、イングランド人の活躍の場は限定され、ナショナルチームにも甚大な悪影響を及ぼすと語っていた。

自身が栄光のウェストハム・ユナイテッドの下部組織出身であること、さらには“ヤング・リーズ”と称された恐ろしく若く力強いチーム、そして自前のプレーヤーを重んじるタイプであるマンチェスター・ユナイテッドでキャリアを謳歌したことも手伝っての発言だったことは想像に容易い。その言葉には重みがあり、華々しさを増す一方だった国内リーグをふと俯瞰し、私は考え込んでしまったことを覚えている。

今回皆々様と考えていきたいのは、6月に大勝負を控えるイングランド代表についてである。

The England Football Team stands together in memory of those killed in the Brussels terror attacks.
England Football Teamさんの投稿 2016年3月29日

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