2016年の新シーズンに向けて各チームが多くの動きを見せているJリーグ。いつになく選手の移籍が話題にあがる冬となっている。

もちろん毎年トピックスになりやすいのは外国人選手の獲得。今季はフォルランやジェイ・ボスロイドのようなビッグネームこそないものの、なかなか面白い選手が日本にやってきている。

そして、その中で珍しい現象があった。2014年ワールドカップで韓国代表23名のメンバーに選ばれたゴールキーパーが3名同時にJリーグへとやってきたのだ。


彼らのプレーや経歴を振り返りながら、Jリーグへの移籍を決めた理由について探ってみよう。

チョン・ソンリョン / 정성룡 / 鄭成龍

水原三星→川崎フロンターレ

なお、発音についてはハングルのルール上チョン・ソンニョンに近くなる。川崎での登録はソンリョンである。

今月4日で31歳になった彼は、これまでワールドカップ2大会、アジアカップ3大会、さらにオリンピックにも2大会出場してきた経験を持つ。

190cmという体格を持ちながらも豊かな俊敏性を備え、シュートストップにかけては韓国屈指の実力。2008年にはU-23代表で85mのゴールを決めたことでも知られる。

昨年のKリーグでは自国選手中3番目の年俸を受け取っており、7億5800万ウォン(およそ7500万円)であったと公表されている。

名実ともに韓国最高のキーパーと言える存在であるが、アジアサッカーのファンならば時に彼が見せる不安定さも記憶しているかもしれない。

2010年ワールドカップのウルグアイ戦ではクロスボールをスルーしたことによって失点を招いており、これによって大きな批判を受けた。

また、2013年11月には浦項戦、ロシアとの親善試合で続けざまにミスを冒してしまい、これが大きなトピックスになってしまった。

そして2014年ワールドカップではハリルホジッチ率いるアルジェリア戦で4失点を喫することになり、これをきっかけにキム・スンギュ、キム・ジンヒョンに代表での立場を明け渡すことになった。

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