メッシが長期離脱したバルセロナだが、ここ公式戦7試合17得点の全ゴールを記録しているネイマール、スアレスの活躍がそれを忘れさせている。

この2人はコンビネーションも良好で、今週は王様ペレの「伝説的プレー」をやってのけたネイマールのゴールが世界中で大きな反響を呼んだが、左サイドから最高のお膳立てをしたのがスアレスだった。

世界で5本の指に入るストライカーであるスアレスは、一見すると利己的な印象を持たれるかもしれない。

ブラジルW杯での“噛み付き騒動”の後バルセロナに加入した時も、便利屋なアレクシス・サンチェスに比べ、メッシ、ネイマールと個性がぶつかり合うのではないか?カウンターを独力で決めてしまう彼にとって、パスワークを重視するスタイルは合わないのではないか?という危惧があった。

しかし2010年W杯の“神の手セーブ”がそうであったように、スアレスは勝利のためなら自分をも犠牲にできる選手だ。実際、周囲の心配をよそに加入1年目から「MSN」は爆発し、バルサを欧州の頂点に導いたのである。

そんなスアレスの有能さを示すシーンが、ネイマールのスーパーゴールが生まれる前にあった。

左サイドでボールを受けるネイマール。その時、ボックス内の中央で待つスアレスを見てほしい。

右サイドのサンドロ・ラミレスに手で合図を送り、直後、ラミレスが斜めに鋭く飛び込んでくる瞬間を見計らって、マイナスに動きフリーとなる。

そこへネイマールからのパスが届くが、スアレスはさらにスルーし、ファーサイドでよりフリーとなっていた味方へ好機を譲ったのである。

静止画で見てみよう。

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