ではマルキのプレースタイルはどういったものであろうか?日本人に一言で分かりやすく説明すると、「狐」や「狸」の類であるということだ。

マルキはアラブ系にしてはスピードも技術もそれなり程度で、抜群の存在感を放つ選手ではない。軸となるFWの影で息を潜めていることが多く、俗にいう「シャドータイプ」である。しかし相手DFとの騙し合いや駆け引きが非常に巧く、目立たないところで嫌なところをこれでもかと突いてくる。

そして最大の特徴がボックス内での動物的な勘と嗅覚、元イタリア代表ピッポ・インザーギ並の反射神経で、敵が「なぜそんなところに!?」と彼の存在に気付いた時には既にゴールを“盗んで”しまっているのである。

その“化かし合い”の狡猾さにより180cmそこそこの体格にして、平均身長世界一とも言われるオランダの屈強なDFを手玉に取りゴールを量産したのだ。

常に相手のミスに目を光らせるマルキ

オランダで活躍したマルキはさらなるステップアップも期待されたが、その後あっさりシリアと同じイスラム圏のトルコへ移籍し、あまり話題にのぼらなくなった。

トルコでは2シーズンでわずかに10ゴール、代表でもそれほどゴールを量産していないことから、今にして思うとタイプ的に似通った相手(トルコ含むアジア系)よりは大きな選手が揃う欧州のほうが向いていたのかもしれない。

しかしそれでも日本人は油断してはならない。シリア代表の赤いユニフォームをまとった「狐」の存在に気付いた時にはもう手遅れなのだ。

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