先日行われたカンボジアとのホームゲームで3-0と勝利を収め、ハリルホジッチ体制になってから初めて公式戦での白星をあげることに成功した日本代表。
長い暗闇の中からようやく抜け出しかけたという状況であるが、そこで重要なのは次の試合だ。ここで敗れてしまったり、あるいは引き分けてしまえば、またトンネルに引きずり込まれてしまうだろう。
光に向かって歩き始めた日本代表の前に立ちはだかるのは、南アジア選手権優勝の経験を持っているアフガニスタン代表である。彼らはいったいどんなチームなのか? Qolyでアジアを担当する編集部K(籠信明)が解説する。
アフガニスタンサッカーの歴史
サッカー連盟が設立されたのは1922年で、比較的早い。その後1948年にFIFA加盟を果たしており、1954年に設立されたAFCの創立メンバー12国(他はビルマ、中華民国、香港、インド、インドネシア、日本、韓国、パキスタン、フィリピン、シンガポール、南ベトナム)の一つでもある。
それだけサッカーの歴史がある国なのだが、彼らにとって大きな問題となったのが戦乱だ。
1979年から始まったソビエト連邦によるアフガニスタン侵攻で国は崩壊。92年からはアフガン内戦が始まり、その後政権を掌握したイスラム原理主義組織タリバーンは娯楽を禁止した。
そのため、84年のアジアカップ予選以降、アフガニスタンは長きに渡って国際試合を行うことが出来なかった。ようやく世界の舞台に復帰したのは政権崩壊後の2002年、韓国で行われたアジア競技大会である。
戦乱の終結から数年が経ち、環境が崩壊していた国内リーグも数年前から動き出している。
それまでは首都カブールのみでリーグが行われてきたが、2012年にテレビ局がアフガニスタンサッカー連盟との協力の元でリアリティーショーを企画した。
国内の選手を集め、各地域に8つのチームを作り、“アフガニスタン・プレミアリーグ”は発足された。世にも珍しい「TVの企画から生まれた国内トップリーグ」は初年度から大盛況となり、今年で四回目を迎える。
つい先日2015年のシーズンが開幕したばかりであり、その試合はYoutubeでもフルマッチで配信されている。映像を見れば、かなりの観客を集めていることが分かるはずだ。