6月に行われたワールドカップ・アジア予選でシンガポールに引き分けるという失態を演じ、大きな批判の的になった日本代表。
相手との間には歴然とした力の差が存在した……はずだったが、守りを固める相手の防波堤を打ち壊すことが出来ず。ゴールキーパーの好調というファクターはあったとはいえ、スコアレスという結果は負けに等しいものだった。
そして、その汚名を挽回するチャンスであった東アジアカップでも北朝鮮に敗北するなど、3試合で2分け1敗。ハリルホジッチ体制となってから、実はまだ公式戦での勝利はゼロだ。
背水の陣で3日に迎える相手はカンボジア代表。東南アジアでは一定の力を示し、日本人とも縁が深い彼らの状況とは? Qolyでアジアを担当している編集部K(籠信明)が解説する。
カンボジア代表のこのところ
カンボジアにサッカー連盟が誕生したのは1933年。その後1954年にFIFA、およびAFCへ加盟した。
東南アジアではフィリピンなど過去に強かったチームもあるのだが、カンボジアは政治的な混乱が長引いたこともあって一時期世界最弱クラスであった。彼らにとっては近年が最も充実している状況にある。
現状の立場で言えば、AFF(東南アジアサッカー連盟)の参加国で行われているスズキカップで「予選をギリギリ突破できない」という感じの立場だ。
2008年にはラオスと共に予選突破を成し遂げたのだが、本大会では3連敗を喫している。
その後カンボジアの前に立ちはだかったのがフィリピンだ。海外生まれの選手を多数引き入れて強化した彼らの前に敗れて2010年大会は予選敗退。さらに、フィリピンが本大会にストレートで入ることになったために予選に回ってきたミャンマーが彼らの前に立ちはだかることになった。
これによってカンボジアは3大会連続でスズキカップ本大会への出場を逃しており、伝説のFWホク・ソチェトラが健在だった2000年代前半と比べると、ライバルの成長に押されている感がある。
先日日本代表が戦ったシンガポールは、スズキカップでは本大会にストレートイン出来る立場であり、カンボジアよりも数段階上の格を持つチームである。2015年8月付けのFIFAランキングでは180位につけている(日本は56位)。
6月11日にはこの2チームが直接対決しているわけだが、その際にはシンガポールがアウェーで0-4と大勝している。それからもカンボジアと日本との力関係は推測できるだろう。