9月5日、『Daily Mail』は、今夏マンチェスター・ユナイテッドに加入したアントニ・マルシャルについての様々な人物のコメントをまとめた記事を掲載した。

今夏10代の選手としてはダントツで世界最高額となる移籍金でマンチェスター・ユナイテッドに移籍したマルシャル。『NEXTアンリ』とも呼ばれる期待の若手であるが、高い評価を受けたことで大きなプレッシャーがかかることも心配されている。

リヨンでアカデミーのディレクターとトップチーム監督を務め、マルシャルを引き上げた本人とも言えるレミ・ガルド氏は、彼の入団時のことやユナイテッドでの課題などについて話した。

レミ・ガルド
(前リヨン監督、元アカデミーマネージャー)

「我々は12歳の時からアントニ・マルシャルをチェックしていた。チーフスカウトであったジェラール・ボノーは言った。『この子は信じられない選手だ。我々は彼を獲得する必要がある』とね。

私は彼の判断には大きな信頼を置いていたので、動いた。誰もが常にギャンブルをしなければならないものだが、我々は彼が技術的に素晴らしく、スピードも豊かで、知性もあり、良いフィニッシュも持っていることを見て取れた。

リヨンは攻撃の選手を育てる文化がある。ロイク・レミ、カリム・ベンゼマ、アレクサンドル・ラカゼット、ナビル・フェキール、クリントン・ムア・エンジなどね。

そして、ピッチの上ではいつでも彼をチェックした。そして、彼の背景もチェックした。家族構成や性格などね。それから我々は彼の教師に電話をかけた。また、レ・ウリ(マルシャルが所属していたクラブ)のコーチとも長く話した。

ボノーは加えた。『彼はアテム・ベナルファのような性格ではなかった。そしてアントニの両親は彼に有名なスターになって貰いたくてたまらないような人種ではない』と」

「マルシャルがここに来た後、他の10代の選手と同じような問題に直面した。大きな問題は学校だ。

私は非常に要求は大きかった。弁護士や教師の資格を得るように頼んだことはないが、学校に行くときは集中力を示さなければならないし、健全な精神状態の元で過ごさなければならない。

彼はそれに興味を持っていなかった。そして、教師に対して失礼だったときもあった。彼は大きな声で騒ぐタイプではなかった。何かあるとすれば、授業の中であまりにも静かだったことで、少し無関心に見えた。

学校を必要とすると思っていなかったのだ。しかし、これはアカデミーに所属している10代の選手には非常に一般的なことなんだ。

サッカーに関しては、彼は落ち着かなかった。ユースで練習を受けていたとき、彼はいつもリザーブにいつ上がれるのかということを尋ねていた。そのあたりは、彼の両親と私は同意していた。そして、これは今日の若い選手には珍しくないことだ」

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