デンマークサッカー協会が、バルセロナのアカデミー(バルセロナのトップチームへの繋がりを持つサッカースクールのこと)建設計画を禁止した。
当初バルセロナは、デンマークのコペンハーゲン郊外にフットボールスクール作成を計画。世界全体で既に50国以上で育成活動を行っているとされるバルセロナアカデミー、FCB Escolaをデンマークでも立ち上げるために、過去にバルセロナでプレーした元デンマーク代表アラン・シモンセン(Allan Simonsen)を責任者としてデンマークに派遣した。
バルセロナのこうした動きは、自然なものに見えるかもしれない。しかし、デンマークのサッカー協会は彼らの計画に難色を示す。
彼らは、バルセロナのアカデミーは「20歳に満たない選手たちを守る」というルールに沿っておらず、デンマークのサッカークラブにとって有害なものだと主張。デンマークの若手が、バルセロナのアカデミーによって奪われることを問題視した。
UEFA、バルセロナ関係者、デンマークサッカー協会の人間による話し合いが行われ、デンマークサッカー協会のスポークスマンであるステーン・ヨルゲンセン(Steen Jørgensen)から「バルセロナとの建設的な議論の結果、バルセロナはアカデミーをデンマークに開設しないことに決定しました。代わりに、我々はフットボールによる交流会のようなものを計画しております」という声明が出されることとなった。
バルセロナ側も、「双方を尊敬している事が解るような、建設的な議論が出来た。我々は、デンマークサッカー協会との合意が完了するまでは、サッカーアカデミーの開設を取りやめることに決めた」とコメントした。夏の短期キャンプ・プログラムは継続的に開催される見込みで、ヨルゲンセンも「バルセロナから得られる経験というものは、デンマークでの育成にとっては大きい。これからも良い関係を継続していけたらと思っております」と述べた。
デンマーク側は、UEFAに対して「海外のクラブがサッカーアカデミーを開設する際は、国のサッカー協会を通して許可を得る必要がある、という形にしてほしい」と要望。同じヨーロッパということもあり、デンマーク国内の才能を強豪クラブに奪われる事を避けた形となる。