[J2第14節 モンテディオ山形 3-0 大分トリニータ、5月6日、NDソフトスタジアム山形]

山形が大分を破って5試合ぶりに勝利を挙げた。

前半25分にFW藤本佳希(よしき)が頭で先制し、続く後半24分にMF國分(こくぶ)伸太郎、試合終了間際の同49分にはFW高橋潤哉が追加点を奪って完勝。2014年8月から負けなしの相手を圧倒した。

古巣相手にキャリアハイの4ゴール目

後半24分にGKのクリアボールを高い位置でMF吉尾海夏(かいな)が頭ではたいてショートカウンターが発動。MF髙江麗央が國分に鋭い楔のパスを送ると、ターンしてペナルティアーク手前で左足を強振(きょうしん)した。ゴール右隅へミドルシュートが突き刺さると、山形ゴール裏に集った青白のサポーターたちが荒れ狂う波のように揺らいだ。

感情を爆発させた背番号25は高く跳躍し、自身キャリアハイ4得点目に歓喜していた。

2得点目を決めて喜びを爆発させた國分

「長いボールが前に入ったときのセカンドボールを、前々節の(カターレ)富山戦、前節の(北海道コンサドーレ)札幌戦も意識していたので、(髙江)麗央がパスを入れてくれたタイミングで、いいところにボールを止められた。キーパーの位置、距離感を含めて見てトライしました。(キャリアハイのゴールが決まって)うれしいです!」と笑みを浮かべた。

この日は3-4-1-2のシャドーで先発した國分は攻めれば効果的な配球と豊富な運動量で幅広くサポートし、守れば率先してプレスを仕掛けて相手の起点を潰した。攻守において絶大な存在感を見せて自身がプロデビューを果たした大分を圧倒し続けた。

効果的な配球を見せた國分

チームは4試合白星を挙げらていない中でフォーメーションを変更しながら試行錯誤していた。前節の札幌戦で採用した2トップを配置した3-4-1-2をこの日も使い、國分のシャドー起用が功を奏した。

「まずは前線に多く人を入れたい。その中で僕らの前線が強烈だといっても、前にいいボールを供給しないと難しい。前線に質の高いボールを入れるため、フリーでいい状態の選手を作ることを僕は意識していて、前線にボールが入った先に相手よりも早く高いポジショニングでセカンドボールを拾いに行ったり、前にかかって行くことがいまは必要。

そこで上回らないと勝てないと実感しているので、僕もビルドアップに絡みながらも、前線に行けるときは行っています。少しでもチャンスがあるのであれば、後ろのバランスが良くなった状態のときは、前線にフォワードのような形で顔を出しています。その結果が少しずつですが、きょうもゴールに、チャンスにつながっていると思います」と手応えを口にした。

キャリアハイの4得点を決めたハードワーカーが躍動したことで、昨季勝負強さを見せた山形が戻りつつある。開幕3連敗と低調なスタートを切ったが、11季ぶりのJ1復帰に向けて反撃ののろしを上げた。