飢餓を訴えるためのWFPのキャンペーン『805 Million Names』に連動し、“かりそめ"のタトゥーを入れたイブラヒモヴィッチ。そのタトゥーのデザインを手掛けた、アレクシス・タイエブ氏のインタビュー。


フットボールの大ファンですか?それとも、カジュアルなサポーター?応援しているクラブはどこですか?

「カジュアルなサポーターよりだね。でも、若い頃からそう(フットボール好き)だった。パルク・デ・プランスでおじと一緒に試合を見たものさ。応援しているのは間違いなくPSG!僕はパリで生まれた。応援できた唯一のクラブさ!」


フットボールに関連したプロジェクトは他の依頼とは違ったアプローチをしますか?

「そうだね、フットボール(に関する作品)では自発性(自然発生的な)とダイナミズムを自分のタイポグラフィに注入する必要が本当にあることは分かっている。多くのイラストレーションを手掛けた。時に1つ創るのに丸々1週間かけることもある。でも、こういった種類の仕事はより自然発生的である必要がある」


FFF(フランスサッカー連盟)のためのプロジェクトをNIKEと一緒に取り組んでいますね。最高にエンジョイしたものは?

「フランス人であることを誇りに思っているし、我が代表チームも誇りだ。僕らが98年W杯を勝ち取った時、僕は14歳だった。歴史的瞬間だったし、今では僕のカルチャーの一部だ。だから、NIKEがフランス代表のキャンペーンに参加してくれるよう求めてきた時はファンタスティックだった!」


『805 Million Names』プロジェクトはどこからきたものですか?概要はどんなものでしたか?

「1年前にNIKEの撮影でディレクターのグスタフ・ヨハンソンと一緒に働いたんだ。僕らは互いに真価を認め合った。だから、コンタクトを続けていたんだ。
そして数か月前、このプロジェクトに参加してくれと彼から頼まれた。彼はすでに 『Forsman & Bodenfors』(スウェーデンの大手広告代理店)とこの件に取り組んでいた。
関われることになって本当に興奮したよ。ズラタンは大好きな選手のひとりだし、彼はPSGでプレーしているからね!」

 
 

マルティン・シュメッツァー(もう1人のデザイナー)とあなたとのクリエイティブなプロセスはどのようなものでしたか? 様々なタイプフェイス(書体)の着想の原点は?

「僕らはデザインするための25人の名前のリストを渡された。やりたいことができるように僕らはかなり自由だった。僕らは(互いに?)フィードバックしなかったので、とっても楽しかった。僕らは互いに自分たちの仕事をやった、マルティンはスウェーデンで、僕はパリでね」

「マルティンが最初に3,4つのロゴを送った。それは最高だった!それから、僕は作業に取りかかった。よい物を創ろうとするポジティブなプレッシャーがあったね!
当然自分の文献も使ったし、古いトラディショナルなタイポグラフィ、タトゥー、アメリカのスポーツロゴ、古いパリのサイン、参照したもの全てがこれらのロゴに入っている」


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