1月27日、国際プロサッカー選手会(FIFPro)は「我々が訴えていた移籍システムの改革案は破棄された」と発表した。
先日イタリア・セリエAのパルマを退団したアントニオ・カッサーノが6か月もの間給与を支払われていなかったことを明かし、大きな話題となった。
しかしサッカー界ではこの種の問題は珍しくはなく、いわゆるビッグリーグでも時に見られるものとなっている。
FIFProはこの問題に対し、選手の権利を尊重するという点において4つの改善案、つまり
- 30日以上給与が未払いとなっている選手は、訴えた後の10日間以内に支払いがない場合、契約を解除するかどうかを決定できる
- 給与の未払い、あるいは不当な判断によって選手としての契約が解除された場合、その選手がクラブから財政的な保証を受ける権利を持つ
- 給与の未払い、あるいは不当な判断によって選手としての契約が解除された者は、移籍マーケットのスケジュールに関係なくクラブと契約することが出来る
- これらの条項は国内、国外に関わらず適応される
の4項目を2014年3月から行ってきた交渉で提案していたものの、欧州サッカークラブ協会、並びに欧州プロサッカーリーグ協会に受け入れられずに終わったとのことだ。
テオ・ファン・セグレン FIFPro事務局長
「毎年、約4000人の選手がFIFAに訴えを起こしている。クラブが金銭を支払わない、あるいは不当に契約を切られたというもので。
あまりにも数が多いため、90%以上の選手はヒアリングまでに数年間待つことになってしまっている。選手のキャリアは短く、そして不安定だ。これらの遅れは許容しがたい。
クラブは、今や煩わしい訴訟や高圧的な手段を持って遅延行為をしている。損失を避ける、あるいはそれらを最小化するために。
FIFAの取り扱う件数は、全世界的なレベルで問題の範囲を把握することさえしていない。違う国の選手とクラブの間のケースを聞くことだけに能力がある。
基本的な原則は、クラブと選手に契約上の安定性を与えるため、選手の契約上の権利に対する敬意の不足を防止することを継続させるために、至急導入されなければならない」