本日18:00、日本代表はグループリーグ突破、そしてグループ首位の座を駆けてアジアカップ前半戦最後の戦いに挑む。

相手はヨルダン。ザッケローニ体制ではアウェーゲームで敗北したことが記憶に新しい。2014年ワールドカップ予選ではウズベキスタンを破って大陸間プレーオフにまで進み、出場まであと一歩と迫った。

力では日本が上。しかし、乗っているチームはどんな相手にでも勝つ可能性があるのがサッカー。パレスチナを5-1という大差で破ったヨルダンには勢いがある。そして、その試合で4得点をあげたラッキーボーイもいる。それがハムザ・アル・ダルドゥールである。

~ストライカーなのにストライカーで使われず、使われてみれば4得点~

ハムザ・アリ・ハリド・アル・ダルドゥール

1991年5月12日生まれ 23歳

わずか17歳でU-19代表に選出され、ユースでは常にエースとして活躍。得点を量産してきたストライカーである。昨年のAFC U-22選手権でもミャンマーを相手にハットトリックを決めた。

フル代表にも若くして定着しており、前回のアジアカップにも20歳で帯同。出場こそしていないものの、非常に期待されていたタレントであった。2011-12シーズンはヨルダンリーグで最優秀選手賞に輝いている。

2014年ワールドカップの予選あたりからフル代表でも徐々に出場機会を貰うようになり、主にトップ下や両サイドのウイングとしてプレー。ワントップのアハマド・ハイヤールをサポートする役割で起用された。

しかし、今回の大会でそのアハマド・ハイヤールはドーピング検査の際に体調を崩し、第2節のパレスチナ戦ではベンチに座った。そこで抜擢されたのがこのアル・ダルドゥール。筆者が知る限り、フル代表の公式戦では途中交代も含めて初めてのトップ起用である。

そして、それが4得点という結果をもたらすのだから、世の中は良いことも悪いことも隣り合わせであるなと感じずにはいられない。

彼はウイングで起用されていたことからも分かる通り、ストライカーとしては小柄だ。しかし重心が低く、意外に体の強さがあり、ドリブルでの仕掛けに加えてパンチ力のあるキックを備えている。時々であるがヘディングも見せる。

日本と対戦したこともあるが、これまで怖さは見せてこなかったアル・ダルドゥール(おそらくそんなに印象に残っている人はいないと思うが......)。ヨルダンにとっても最後の望みを賭けた試合でもラッキーボーイとなるのか?

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