セネガルの素早いシステムチェンジ、対するガーナは......
ところが、後半は流れが一変する。きっかけはセネガルがきっぱりと3バックを諦め、中盤ダイヤモンド型の4バックに変えたことだ。
セネガルは3-4-1-2でボランチのイドリサ・グエイ、トップ下のパパクリ・ディオップを中心としたパスサッカーを狙っていたのだが、3バックが前線に全く絡まないことからサイドが一人ぼっち。
サイドアタックはただアーリーを放り込むばかりで、全く怖さがなかった。そうなれば中が空くはずもなく、パスサッカーも機能しない。
それを4-4-2に変えたことで、ボールサイドにはSB+SH+ディオップが絡むようになり、マイナスのクロスも入れられる、裏への飛び出しも使える、カットインもできると選択肢が増加した。
攻撃の機能性を高めたセネガルは58分に同点ゴールを奪取。左サイドでボールをしっかりキープしてからのクロスを、中央でマメ・ディウフがヘッド! 一旦は右ポストにはじかれたが、自ら押し込んでネットを揺らした。
ガーナは反撃が必要な状況だったが、アヴラム・グラント監督はこのままのシステムでアツ→ワカソ、ラビウ→アックアー、アンドレ・アユー→アカムと同じポジションで交代を行い、システムを変えない。
セネガルはこのおかげで大崩れすることなく、ガーナの縦パスを奪う狙いで守りを行い、優勢な展開を続ける。
そして後半ロスタイム、GKクンドゥールのゴールキックからセネガルが逆転ゴールを奪取。
ハイボールを途中出場のムサ・ソウが落とし、これまた入ったばかりのセヴェが縦に送る。それをマメ・ディウフがダイレクトで流し、ムサ・ソウが飛び出してシュート!
このゴールが決まった直後に試合は終了。このところ数大会のアフリカネイションズカップで全くいいところがなかったセネガルが見事に初戦をものにした。
逆に欠かさず結果を残してきたガーナは、アサモア・ギャンの不在が響いたことも含めて「前線に似たような選手が多すぎる」という欠点も見せてしまい、強豪相手の戦いに不安を残した。