湘南ベルマーレが圧倒的な強さを見せ、松本山雅がJリーグ参入3年目にしてJ1初昇格を果たした、2014シーズンのJ2。
残すは、今週末に行われるジェフ千葉とモンテディオ山形のJ1昇格プレーオフ決勝、そしてカマタマーレ讃岐とAC長野パルセイロのJ2・J3入れ替え戦(第2戦)のみとなったが、そのクライマックスを前に、観客動員データとともにシーズンを簡単に振り返ってみたい。
まず、J2全体としての入場者数は2013シーズンと比べ、1.1%のマイナス。増加したチームが9、減少したチームが13となった。
ただ、昨年はリーグ全体が「ガンバ特需」に沸き、前年比14.8%という大幅増を記録したことを考えれば、それをほぼキープしたというのは明るい材料だ。昨季に引き続きJ2を戦った18チームに限定すると、1.3%のプラスと逆に観客数が増えた今季のJ2であった。
平均入場者数で堂々トップに立ったのは、松本山雅。元々の動員力にさらに磨きがかかった今季、雷鳥はついにJ1の舞台へと飛び立った。
過去率いたアルビレックス新潟、湘南ベルマーレをJ1へと導いた“昇格請負人"、反町康治体制も3年目を迎え、持ち前の走力と集中力に磨きをかけたチームは序盤から上位争いを展開。リーグ中盤以降、湘南に次ぐ2位の座を固めるとその後も順調に勝ち点を積み重ね、39節のアビスパ福岡戦でついに自動昇格の2位が確定。ホーム、アルウィンでの今季最終戦には、過去最多となる18,496人が詰めかけた。
2位は北海道の雄、コンサドーレ札幌。松本とともに平均1万人超えを達成した。
チームは今季、OBの野々村芳和氏を社長に据え、下部組織という強みをより生かすチーム作りを敢行。シーズン途中にはウェスタン・シドニー・ワンダラーズから小野伸二を獲得したが、その小野は怪我で満足に稼働できず、“プラスアルファ"の部分でやや決め手を欠いた印象。最終的に昨季よりも二つ順位を下げて10位という結果に終わっている。だからこそ逆に、ファンによる継続的なサポートが目を引いた。
Jリーグ記録の開幕14連勝、勝ち点101というビッグウェーブで2014シーズンのJ2を席巻した湘南ベルマーレは、リーグ5位の平均8,478人。それでもJ2で過去最多だった2009年の7,273人を大きく上回っており、数字が快進撃の凄まじさを素直に物語っている。
今季、DFラインの大黒柱として活躍した丸山祐市がFC東京からの期限付き移籍であり(※東京復帰が決定)、クラブ生え抜きのU-21日本代表DF遠藤航は浦和レッズが獲得に乗り出したと言われているが、一本芯が通ったチョウ・キジェ監督の「湘南スタイル」が二度目のJ1でどのような戦いぶりを見せるか、楽しみにしているファンは多いに違いない。