モロッコが開催を辞退したためにホスト国の選定が白紙となっていたアフリカネイションズカップであるが、先日ようやく会場が赤道ギニアに決定した。
アフリカ諸国の中では比較的経済状況がよく、会場や宿舎も整備されており、アフリカネイションズカップ開催の経験もある赤道ギニアは、緊急時のホストとしては最適と言える選択であると言える。
しかし、赤道ギニアといえば少し気になる点があった。彼らは1次予選でモーリタニアを相手に出場資格のない選手を使って失格になっているのである。
赤道ギニアは5月17日に行われた一次予選ファーストレグでティエリ・フィジュというカメルーン出身のストライカーを起用していた。しかし、モーリタニアによる抗議を受けた調査の結果、彼は代表の資格を持っていないと判断され、赤道ギニアには大会からの追放が言い渡されていたのである。
Das Sockentor von Thierry Fidjeu-Tazemeta. Ein echter Straßenfußballer braucht keine Schuhe http://t.co/uPoK4RNsf7 pic.twitter.com/AsJrZJ2U5H
— FuViBlo (@FuViBlo) 2014, 3月 14
それ以外にも数人の選手の出場資格について疑問が呈されており、アフリカサッカー連盟は偽のパスポートを所有しているものがいるのではないかと調査を進めている最中であった。
そんな彼らがモロッコの代わりに大会の開催権を獲得し、したがって「失格になった大会に出場する」という非常に珍しい記録を達成することになったのである。詳しく確認してはいないが、おそらく世界でも初めてのケースであろう。
積極的に外国人選手を帰化させることでチームを強化してきた赤道ギニア。2012年アフリカネイションズカップの前にはスペインから、その後はブラジルやコロンビアから、そして最近はアフリカ諸国からの選手を獲得している。
そのため、赤道ギニアがこの種の罰則を受けることは初めてではなく、常に疑惑が付きまとっている国だ。2014年ワールドカップの予選では9名のブラジル人選手を帰化させ、そのうちの数人について資格が認められず、カーボヴェルデとの2試合を没収されている。
一種常習犯ともいえる彼らに大会の開催権を与えるという選択には、今回アフリカサッカー連盟がどれだけ切羽詰まった状況になっていたかが窺える。