競馬の最高峰レース、フランスの凱旋門賞が今年も近づいてきた。

パリ郊外のロンシャン競馬場で争われる芝2400メートルのレース。世界的にはアメリカのブリーダーズカップ、UAEのドバイワールドカップなども有名だが、その名前の響きや日本の名馬たちが過去に数多く出走していることもあり、日本ダービーや有馬記念のように純粋な競馬ファン以外にとっても馴染みのあるレースだろう。

今年も日本から、有馬記念などG1通算5勝のゴールドシップ(牡5歳、父ステイゴールド)、天皇賞(秋)など日本のG1を2勝していることに加え、今年3月にG1ドバイデューティーフリーをレコード勝ちしたジャスタウェイ(牡5歳、父ハーツクライ)。さらに、過去10年間で実に8度凱旋門賞を制している3歳馬として今年の桜花賞馬であるハープスター(牝3歳、父ディープインパクト)が出走。

凱旋門賞において、日本馬はこれまで1999年のエルコンドルパサー、2010年のナカヤマフェスタ、2012年と2013年のオルフェーヴルが残した2位が最高成績であり、悲願の初制覇を目指すことになる。

対する欧州勢では、今年のキングジョージ6世&クイーンエリザベスSで古馬を一蹴した英オークス馬タグルーダ(牝)、無敗の仏二冠馬アヴニールセルタン(牝)、前哨戦のニエル賞を勝った6連勝中のエクトー(牡)という3頭の3歳馬がブックメーカーなどで支持を集めている(※同日の別レースに出走予定だった、8月のヨークシャーオークスでタグルーダを破った3歳牝馬、タペストリーの緊急参戦も決定)。

凱旋門賞では過去92回のレースにおいて、欧州馬以外が勝ったことは一度もなく、「午年」である今年、その高い壁を日本馬3頭が破れるかが注目される。

というわけで、今週日曜日に開催される第93回の凱旋門賞を簡単に見てきたが、ここからは“いちサッカー情報サイト"として、サッカーと競馬を繋ぐ3頭の名馬の話を紹介していきたい。

まずは、1998年に中田英寿がペルージャへ移籍した際に話題になったこの馬。

トニービン

日本ではエアグルーヴやジャングルポケットなどの父として有名なトニービン。

自身も凱旋門賞を制した名馬であるが、実質的な馬主であったルチアーノ・ガウチ氏は、後にイタリアのサッカークラブ、ペルージャのオーナーとなり、1998年のフランスワールドカップで活躍した中田を獲得。トニービンの銅像がある古城での入団会見を覚えているファンは多いに違いない。

以下は、トニービンが勝った1988年の凱旋門賞だ。

約70万円で購入したトニービンで多くのG1を制し、最後は種牡馬として日本に約5億円で売却。さらに、中田もペルージャでの大活躍により購入した3倍以上の移籍金でローマへ売れたため、ガウッチ氏は日本には本当に感謝していたという。

しかし、ガウッチ・ファミリーはその後脱税などで逮捕され没落。ペルージャも下部リーグに沈んでいたが、先日お伝えしたようにセリエBまで戻ってきた今季、チームは好調なスタートを切っている。

もしかしたら来季、“グリフォーニ”が久々にセリエAの舞台で見られるかもしれない。