6月26日、ツイッターの中で多く見かけ、心にとまったツイートがあった。
それはその日のスポーツ紙の各紙一面を見て「かわいそう」とか「まずはお疲れ様でしょ」のような紙面に対して批判的なものだった。これを見て筆者は疑問符が浮かんだとともに日本人の国民性を憂えるほかなかった。
ワールドカップで1勝もできず、最下位で敗退というのを受けてのものなので一面にはセンセーショナルかつ衝撃的なタイトルがずらりと並ぶ。確かにほぼすべての新聞で本田がスケープゴートにされているのは合点がいかないことでもあるが、大きなことを大会前に言ったという点でこの選出はサッカーファン以外の人にも関心を持ってもらいやすいという判断だろう。
そして何よりこの凄まじいとも言えるタイトル集はほぼすべて本田が試合後のインタビューで語ったことである。スポニチ、スポーツ報知で使われた「惨め」という過激なワードは「非常に惨めですけど、これが現実なんで。」と語っている部分、東京中日スポーツの「口だけだった」というのは「優勝とか言ってこの結果。口だけで終わってしまって非常に残念。」と語っている部分、サンスポの「負け犬の遠吠え」は進歩しているという意見もありますがという問いに対して「もう何言っても負け犬の遠吠えになってしまうんですけど。」という答えの前置き部分である。
つまり上記のタイトルはゼロから作り出した悪口ではない。そんな事実を、このスポーツ紙を今朝見かけ「まったくメディアはすぐ叩くなあ」なんて小言を言いながら電車に乗るサラリーマンはどれくらい知っていたのだろうか。日刊スポーツの「出直せ」というワードは具体的に本田のコメントからは見てとれなかったが、これに関しては批判と言うよりかは客観的事実である。ベスト4ひいては優勝を目指しブラジルに乗り込んだ日本を代表する選手たちが1勝もできず敗退し、「このままでいいから引き続き頑張って」などと声をかけるものなどどこにもいない。出直すべきであり、出直さなければならないのである。