31日に行われた強化試合でエクアドル代表を3-1で下したメキシコ代表。しかし目前に迫ったワールドカップ本大会に向け弾みのつく勝利となるはずが、あまりに大きな代償を払うことになった。

前半35分、直前に鮮やかなミドルシュートを突き刺したばかりの“チャポ”ことルイス・モンテスが、エクアドル代表MFセグンド・カスティージョと交錯。モンテスの右足は通常ではあり得ない角度で曲がっていた。

モンテスは病院へ直行しすぐに手術。右足3箇所の複雑骨折というワールドカップはおろか選手生命さえ危ぶまれる重傷を負った。

※手術は無事成功したとのこと。

昨年初めて代表に招集された28歳のモンテス。生え抜きのパチューカでは芽が出ず同クラブの弟分であるレオンへ左遷された過去を持つ苦労人だが、そのレオンで飛躍的な成長を遂げる。同代表のペーニャ、ラファ・マルケスらとチームを牽引し今シーズンの前期リーグでクラブを約21年ぶりに優勝へ導くと、後期リーグでは兄貴分パチューカを決勝で下しての連覇という偉業を達成。僅か2シーズン前まで2部にいたクラブをメキシコ最高のチームへと変貌させた。

そして国内で確固たる地位を築くと同時に昨年プレーオフ前に就任したミゲル・エレーラ体制で代表レギュラーを獲得。心身ともに充実した最高の状態でワールドカップに臨むはずだったが、その夢は目前にして断たれることになってしまった。

SNSではメキシコや世界中のファンはもちろん、ジオバニ・ドス・サントスら同僚の選手もモンテスへの励ましの言葉を発信。パチューカ時代からのチームメイトでレオンに移ってから共に大成した後輩ペーニャは、

「僕達はいつも一緒に前へ進んできたんだ。それは今も例外じゃないよ」

と、長く苦楽を共にした先輩を気遣った。

また、試合前にはツイッターで先発メンバーを発表するなどSNSを積極的に活用しているミゲル・エレーラ監督も、

「今日我々は大事なキープレイヤーを失ったが、我々全員は彼、そして彼の魂と共にある。頑張れ“チャポ”!」

とエールを送っている。

モンテスもすぐにツイッターを再開。多くの励ましに対して感謝の旨を述べ、笑いを交えながら気丈に振る舞った。

キープレイヤーを失ったメキシコ代表も心配になるところだが、今はただ、モンテスの選手生命が無事であることを願いたい。なお、モンテスの代替はハビエル・アキーノ(ビジャレアル/ESP)になる予定とのこと。

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