アーセナルのアーセン・ヴェンゲル監督は、スペイン代表MF、セスク・ファブレガスを2011年に彼の古巣であるバルセロナへ売却することになった経緯を説明している。
同じ1987年生まれのリオネル・メッシやジェラール・ピケらとともにバルセロナの下部組織で育ち、2003年に16歳という若さでアーセナルへ加入したセスク。若くしてキャプテンを務めるなど目覚しい活躍を見せたが、2011年、3500万ポンド(約45億円)の移籍金で故郷カタルーニャのクラブへ復帰している。当時のことについて、ヴェンゲル監督は『Eurosport』のコラムの中で次のように振り返っている。
「彼はアーセナルを去ることになった時、とても悲しんでいた。一緒にアーセナルに留まることができるように努めたが、本当は、彼がバルセロナで育ったこと、彼の祖父もバルサに勤めていたこと、彼がバルサのサッカー教室に毎回参加していたこと、バルサが当時最高のチームだったことを知っていた」
「彼のバルサでプレーしたいという意思の強さには参ったよ。そしてそのことは極めて自然なことだ」
「私たちにはお互いへの信頼関係があった。彼は16歳にしてバルセロナを離れ、母親と一緒にここへ来た。彼は『バルセロナは僕を信頼してくれないんだ。だから僕はここに来たし、あなたは僕のことを信頼してくれると思っている』と言っていた」
「その時感じた彼の人間性は、時々どこで養ったのか気になるほど素晴らしく、バルセロナというビッグクラブを離れ、我々のためにプレーしに来たという勇敢さには今でもただただ感心させられるばかりだ」