彼のプレースタイルは基本的に新潟のリリースにある通りだ。
初めに見た時はより守備的なポジションでプレーしていたので体型などからも元フランス代表クロード・マケレレのようなスペースを埋める選手かと思っていた。しかし、その印象はすぐに変わった(ちなみに新潟のリリースでは181cmとあるが、試合映像や過去のデータから175-78cmくらいが適当だと思われる)。
今シーズンのポルトゥゲーザでは基本的に4-3-1-2の3ボランチの左サイドで起用されたのだが、試合が始まればピッチのいたるところに彼が現れ、攻守に存在感を発揮。技術的に特別流れを変えられる選手ではないものの、その圧倒的な運動量はチーム全体を活性化させていた。
機を見てのシュートには威力があり、プレースタイル的にはチェルシーにいるラミレスに近いだろうか。
個人的には元鹿島で先日、クラブW杯でラミレスのいるチェルシーを下し世界一に輝いたコリンチャンスのファビオ・サントスや元仙台で今年のブラジル王者であるフルミネンセのチアゴ・ネーヴィス、元磐田でサントスに所属するエンリケと同様、国内組限定のセレソンであれば呼ばれてもおかしくない選手だと思っていた。
彼は2004年、静岡で行われたSBSカップにU-20ブラジル代表として来日しており、能力的には決して不思議ではないが、ポルトゥゲーザという小さなクラブであったために注目度は低かったのであろう。それだけに来年は国内の他のクラブへステップアップするのではと感じていたが、まさかJリーグに来るとは。
ともあれ、上記のように彼は非常にチームに献身的な選手で性格も真面目とのことなのでおそらくチーム、Jリーグには割合早くフィットするのではないだろうか。今から生でプレーを見るのが楽しみである。
しかし、これまで数多くの良質なブラジル人を発掘してきたアルビレックスとはいえ、今年はぎりぎりで降格を免れただけにその動きの早さと、スカウティング能力には脱帽だ。