[J2第31節、モンテディオ山形 2-1 レノファ山口FC、9月27日、NDソフトスタジアム山形]
山形は山口を下して勝点を38に伸ばし、暫定13位に浮上した。
前半41分に失点を許して追いかける形になったものの、後半1分にDF岡本一真が同点にして振り出しに戻した。
試合終了間際の同45分にMF土居聖真主将が右足で決勝点を挙げて逃げ切った。
悔しさを乗り越えて
後半45分に劇的な勝利を挙げた。
ゴール前の混戦の中、ペナルティエリア左側でパスを受けたMF坂本亘基がグラウンダーのクロスをゴール中央へ供給すると、待ち構えていた土居が右足でゴールネットを揺らした。
「亘基が自分のところにドンピシャで(クロスが)来ると信じて待っていたので、来てくれて良かったと思います」と振り返った。
ゴール後に歓喜の輪が生まれるも、土居の表情は明るくなかった。これまで7試合連続で先発出場を続けていたが、この日は後半頭からの途中投入。悔しさから喜ぶことができなかったという。
「自分がやるべきことをするだけだと思っていました。先発落ちして、悔しさもありました。(やるべきことを)ピッチで表現しようと思って入りました」と多くは語らなかったが、やるべき仕事を成しとげてチームを2試合ぶりの勝利へと導いた。
前節に宿敵ベガルタ仙台との今季2度目のみちのくダービーで1-3と大敗し、今季ダブルを許してしまった。それでも土居は冷静に自身、チームの課題に向き合っている。
「僕は(ダービーが)終わった日からあまり気にしていなかったです。 ダービーだけが悔しいというのは、僕の中では違います。負けた試合は、どの試合も悔しいです。(悔しさが)変わらない1試合だったので、僕にとってはいつもと変わらない悔しい1試合でした。後悔だったり、悔しさは置いて、休み明けからはしっかり気持ちを切り替えて練習できました。
それがきょうのゴールや、勝ちにつながったかは分かりませんけど、常に気持ちを切り替えて。試合も続きます。1試合でくよくよしていられないので、今回も喜びもほどほどに。また次に向かって、まだまだ課題もあります。みんなでクリアしていかなきゃいけないものはたくさんあるので、やっていこうと思います」
次を見据える男の言葉は芯が通っていた。土居を筆頭に一喜一憂せず、今季の苦しみや悔しさを乗り越えチーム一丸となって前進しようとしている。
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次節は来月4日午後2時に敵地で北海道コンサドーレ札幌と激突する。J1復帰の可能性は閉ざされていない。白星を一つでも多く重ねて、チームは前進するのみだ。
(取材・文 宇田春一)
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