J2のいわきFCは19日、スポーツ庁令和7年度スポーツ産業の成長促進事業「スポーツオープンイノベーション推進事業(SOIP)」に採択されたことを発表した。
スポーツオープンイノベーション推進事業とは、スポーツ産業の成長化を促し、スポーツへの投資促進やスポーツの価値高度化を図るとともに、他産業の価値高度化や社会課題の解決につながる新たな財・サービスを創出することを目的とした事業。
スポーツ団体と企業やスタートアップ等の事業者との連携による新事業創出等を支援するアクセラレーションプログラムを実施し、スポーツオープンイノベーションの基盤形成と先進事例形成に取り組んでいる。
今回、運営を委託する株式会社eiiconは、日本最大級のオープンイノベーションプラットフォーム「AUBA(アウバ)」を運営し、累計登録社数35,000社を超える実績を持つオープンイノベーションの専門企業だ。
いわきFCは、採択の背景と目的について以下のように綴っている。
「今回の採択により『人流データ分析によるアクセス改善と地域課題解決型新スタジアム構想推進事業』として、人流データの収集・分析・可視化を実施いたします。
スタジアムへのアクセス課題(渋滞緩和・交通分散)および地域が抱える人口減少の課題や、観光回遊性といった課題の解決を目指します。具体的には、スタジアム周辺にビーコンを設置し、来場者の交通手段別・時間別動態、駐車場利用状況、渋滞ポイントを可視化することで、混雑緩和や別ルート誘導を実現し、データに基づく持続可能なスタジアム運営モデルの構築に取り組みます。
本事業を通じて得られた成果は今後のスタジアム運営や地域課題の解決に役立てるとともに、新スタジアム計画にも接続をさせていく予定です」
いわきFCが現在ホームとして使用している「ハワイアンズスタジアムいわき」にて、人流データの収集・分析・可視化を実施。データに基づく持続可能なスタジアム運営モデルの構築に取り組み、いわき市小名浜港に整備予定の新スタジアム計画にも生かしていく方針だという。
いわきFCの代表取締役を務める大倉智氏のコメントは以下の通り。
「このたびは、スポーツ庁のスポーツオープンイノベーション推進事業に採択いただき、誠にありがとうございます。いわきFCは創設以来、地域に根ざしたクラブとして様々な社会課題の解決に取り組んでまいりました。今回のSOIPを通じて、これまで培ってきた経験と新たなパートナーとの共創により、スポーツの可能性をさらに広げ、地域社会により大きな価値を提供できるよう努めてまいります。福島県いわき市から、新しいスポーツビジネスモデルを発信し、地域の活性化に貢献したいと考えています」
J2で現在13位のいわきFCは、『スポーツを通じて、いわき市を東北一の都市にする』というミッションを掲げている。そんな彼ららしい、地域やパートナーとの取り組みと言えるだろう。
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なお、サッカー団体ではいわきFCのほか、アビスパ福岡、NPO法人日本ブラインドサッカー協会、鎌倉インターナショナルFC、ガイナーレ鳥取が今年度のスポーツオープンイノベーション(SOIP)プログラムに参画する。