前節の黒星から立ち直る
前節熊本戦で16試合ぶりに黒星を喫してしまった。第13節から第20節までリーグ戦7連勝を達成するなど、破竹の勢いで上位を駆け上がった水戸の勢いが切れるのではないかと危惧されていた。
ただ勝者のメンタリティが根付き始めたイレブンにとって、その危惧は杞憂(きゆう)だった。
「前節逆転負けで、本当に悔しい負け方をしていた中で、チーム全員が山形戦にかける思いは、どの試合よりも強い思いがあったと思う。チーム一丸となって、変わっていったので良かったです」と、黒星が団結を強めるきっかけになった。
そして迎えた山形戦でシーズンダブルを達成。敗戦を引きずらず、勝点を51にして首位独走態勢に入った。
「チームとしても、個人としても(勝って)ホッとしました。 ここから本当に厳しい戦いが続くと思うので、自分たちのスタイルをぶらさずやっていけば、昇格が近づいてくると思う」と力強かった。
チーム創設からこれまで1度もJ1昇格を経験していないチームが、悲願の目標を達成しつつある。この勢いを切らさずにゴールテープを首位独走で切りたい。
「この後の試合が大事になってくる。連敗しただけで順位が落ちてしまう。きょうみたいなアディショナルタイムでの失点をなくしていかないと上にはいけない。そこはチームとして反省すべきところなので、修正してやっていきたいと思います」とかぶとの緒を締めた。
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クラブ初のJ1昇格まで確実に近づいている。2位ジェフユナイテッド千葉との勝点差は6と突き放しているが、群雄割拠のJ2は一筋縄ではいかないだろう。それでも勝者のメンタリティが根付きつつある水戸イレブンは、残る強敵を跳ねのけて悲願のJ1昇格を果たしてみせる。
(取材・文 高橋アオ)