長期離脱から復帰、大学勢唯一の3回戦進出
山之内は、昨年9月に右足首のねずみ(関節遊離体)を発症して以降、負傷に悩まされていた。本人によると、離脱した期間は約5カ月で、先月24日に行われた仙台大(宮城県代表)との1回戦も、スタンドからチームを応援していた。
先月31日の関東大学サッカーリーグ1部第10節明治大戦で途中出場をして戦線復帰すると、今月8日に行われた同リーグ第11節日本大戦でフル出場を果たした。
3日前に久々にフル出場した山之内は、この日プロ相手に120分間死闘を繰り広げたため、疲労困憊(こんぱい)だった。
それでも東洋大の主将は「めちゃくちゃきつかったんですけど、勝ちたいという気持ちが強かった。やるしかなかったです」と最後は気持ちで踏ん張り、大学勢唯一の3回戦進出に導いた。
3回戦に勝ち進んだ東洋大は、来月16日にJ1アルビレックス新潟と対戦する。
山之内は昨年度までともに戦った先輩のDF稲村隼翔(はやと)との対戦を心待ちにしている。「新潟は卒業生の稲村さんがいるので、とても楽しみです。その人から点を取りたい」と意気込んだ。
柏への入団が内定しているDFは、天皇杯3回戦突破と、その先のプロの舞台まで見据えている。試合終了後に柏サポーターが集うゴール裏へ挨拶に行った山之内を、柏サポーターが「がんばれよ!」と温かく激励した。
同選手は「(柏サポーターの声援は)聞こえていました。来シーズン、レイソルの力になるようにさらに成長しないと駄目。来シーズンのための準備をまた一からやっていきたいと思います」とこぶしを握り締めた。
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プロの舞台を前に、名刺代わりの一撃で存在感を示した山之内。主将として、そして未来のJリーガーとしての歩みは、着実に始まっている。
(取材・文・写真 縄手猟)