[J2第18節、ジェフユナイテッド千葉 0-0 レノファ山口FC、5月31日、千葉・フクダ電子アリーナ]
首位の千葉は18位の山口に引き分け、リーグ戦3試合連続未勝利となった。
右サイドで先発出場したFW田中和樹は自慢の快速を生かせず。前半23分にはシュートチャンスがあったものの、背番号7の左足はゴール左上に外れた。試合後、千葉の小林慶行(よしゆき)監督は同選手に成長を求めた。
背番号7に求められる成長
今季ここまでの公式戦で2得点2アシストを記録している背番号7は相手チームに警戒され続けた。
リーグ戦2試合連続で得点を奪えていない千葉は、中央に今季公式戦初出場のMF風間宏矢(こうや)を抜てき。背番号8の配給力で、スピードスター田中のポテンシャルを引き出したかった。
田中は「久々に宏矢くんと試合に出て、距離感の部分が懐かしいと思った。(風間は)自分がボールを受けたら、いつもパスを出せる場所にいてくれるので、やりやすかったです」と背番号8との共闘に手ごたえを感じていた。
二人は息の合ったプレーでチャンスを演出した。
前半23分にボックス前中央でボールを受けた風間は、右サイドを駆け上がってきた背番号7に『シュートを打て』と言わんばかりのアウトサイドパスを供給。田中は左足ダイレクトで狙いに応えたが、ボールはゴール左上に大きく外れた。
「あれ決めていかないと試合を難しくしてしまうので、反省点です」と唇を噛んだ。
背後を警戒され続けた田中は快速を生かせず、後半39分に途中交代。この日、スピードスターが放ったシュートは1本に留まり、チームも得点を奪えずにスコアレスドローとなった。
試合後、小林監督は背番号7に対して「『足元には入れさせていいよ』という対応を(相手に)されていた。田中も新しいチャレンジをしていかないといけない。そもそも走らせてもらえないというか、相手が背後をケアしているので、足元に入ったところから何かをしていかないといけない」と、さらなる成長を求めた。
田中も指揮官の考えに同調した。
「背後を狙う部分はもっと一瞬の隙をついていかないと、今シーズンは特に難しい。いままではやれていた背後が警戒されてきた中で、新しいフェーズに行かないといけない。足元でボールを受けて違いを出すという部分で、まだまだ足りないので伸びしろだと思っています」
次戦は6月11日の午後7時からホームでJ2ロアッソ熊本と天皇杯2回戦を戦う。
J1復帰への機は熟した。J2首位を走るジェフユナイテッド千葉の躍進とラストピースに迫る
背番号7は「天皇杯だとか自分の中で関係なくて、1試合は1試合なので、勝たなくてはいけない」と勝利を誓った。千葉は熊本戦で公式戦4試合ぶりに勝利し、リーグ戦に向けて弾みをつけたい。
(取材・文 浅野凜太郎)