兄とは異なる道を決めた高校進学
現在は兄を慕って同じ道で夢を追いかけているが、育成年代では怪物といわれていた兄にコンプレックスを抱いていたという。行くところでジェファーソンの弟と言われ続けたビスマルクは我慢し続けてきた。
「選手権で高校2年のときに兄が(いた桐光学園高は)PKで青森山田に負けたんですよ。その次の年に青森山田が選手権を優勝しました。『ジェフの弟』と言われるのが嫌だったから、ジェフよりいい高校に行きたいなと思って青森山田を選ばさせていただきました」と高校サッカー屈指の強豪校へ進学した。
青森山田といえば歴代のOBたちが「きつすぎる…」と弱音を漏らすほどのハードトレーニングが有名であり、豪雪地帯も相まって過酷すぎる環境で有名だ。ビスマルクも苦笑いを浮かべつつ当時を振り返った。
「ある程度の理不尽のきつさには耐えられるようになりましたね。走りのメニューで意味が分からないメニューを出されても、『とりあえずやるしかないか(苦笑)』というメンタリティになって、弱音を吐くこともなく、すぐ取りかかれるようになったというか(苦笑)。簡単に言ったらきついことがあったとしても、『どうせ乗り越えられるだろうな』という思考になったような気がします」と明かした。
クロアチアの過酷な環境を心配する人々も多いが、逆境に強いビスマルクは高校時代に鍛えられたメンタリティで乗り切っているという。兄とは別の道を選んだことで現在にもつながる強さを得たようだ。
「プレシーズン中で走りのメニューがきつかったりするんですけど、『高校のアレに比べたらな』という『比べる基準』ができたというか(笑)。それに比べたら簡単だと思えるようになった。青森山田で1、2年のときには、3年にめちゃくちゃ言われていましたけど、周りから言われても自分のプレーが安定するようになりました。そういう周りからの悪い影響を受けづらくなったような(苦笑)。やっぱりメンタルの部分が強くなった気がします」と過酷な日々を笑い飛ばしていた。