先月16日、英国の最高裁判所は、「女性の法的定義は生物学的性別に基づく」との判決を下した。

この判決を受けて、スコットランドとイングランドのサッカー協会は、トランスジェンダー女性の女子サッカー参加を禁止することになった。

そうしたなか、『BBC』は、「トランスジェンダーに関する発言で出場停止処分を受けた女子選手がFA(イングランドサッカー協会)に謝罪を求めた」と伝えている。

この事件は昨年7月にランカシャーで行われた女子チームの試合で起きた。

当時17歳だったセリス・ヴォーンは、対戦相手に男なのかと発言したことで、FAから処分を受けることになった。

6試合の出場停止(4試合は執行猶予)処分を受けたものの、女性の権利を訴える活動家による抗議活動が起きる事態に。

控訴の結果、当初の処分は取り消され、その後、相手が訴えを取り下げると処分自体がなくなった。18歳になったヴォーンは身分を明かすことを決めたうえでこう述べた。

「ストレスが溜まった。日常生活に大きな影響が出たのは間違いない。

結局、無意味なことだった。FAが私にこんな目に遭わせる理由はなかった。彼らはもう罪はないとして、告訴を取り下げ、記録を抹消した。

キックオフ直前、選手のひとりは男だと思ったので、『男なの?』と聞いた。

(相手はトランスジェンダーだと答えたが、ヴォーンはレフェリーにそのことについて尋ねた)

女子の試合だと思い込んでいたので混乱した。相手は混合チームを連れて来ていたと思ったから。

『あの選手はこの試合に出ることが許されているのか』と尋ねたら、レフェリーは『分からないが、フレンドリーマッチなので見逃そう』と言った。

相手のキャプテンは私の質問が聞こえたはず。なぜなら、彼女から、あれは適切な質問ではない、いい発言ではない、トランスフォビア(トランスジェンダー嫌悪)はピッチ外にとどめておく必要があると言われたので。なぜそんなことを言うのか理解できなかった」

彼女は自分に対する処分が撤回されたことを受けて、「彼らは基本的に私の行動が正しかったことを認めた。FAには私に対する扱いについて謝罪してもらいたい」ともコメント。

BBCによると、「あれは男だ」「お前は男か」「二度とここに来るな」という発言もあった模様。

チーム内で嫌われてしまったスター10人

ヴォーン本人は「何も悪いことをしたとは思っていない」としつつ、当該質問をためらわなかった理由になりうる自閉症の可能性について診断を受けていることも明かしたという。

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