ビジターゴール裏に挨拶した生え抜き

國分は高校から大分の下部組織に入団し、3年間アカデミーで育った。トップチーム昇格は果たせなかったが、関西の大学サッカーの名門である立命館大に入学し、大分初となる大学経由のトップチーム入団を果たした。

ただ大分では所属した2シーズンで23試合(先発9試合)無得点と期待された活躍を果たせなかった。2019、2020年に現J3ギラヴァンツ北九州へ期限付き移籍して実力を伸ばした。

山形では今季を含め7シーズンに渡って主力として活躍。豊富な運動量を生かした労をいとわないハードワークで攻守に貢献する姿勢とプレーで、チームを幾度となく救ってきた。

この日も古巣相手にハードワークを見せた國分(中央)

古巣について問われると、「僕は山形の在籍年数のほうが長い。山形のために、僕自身もクラブのためにプレーしました」と語った。

ただ試合終了後に國分はビジターゴール裏に近づくと深いお辞儀と拍手を送る姿を見せた。古巣のサポーターも「伸太郎はうちで悔しい想いをしてきたのに、それでも俺たちにお辞儀や拍手を送ってくれるなんてうれしいよね。涙が出そうだよ」と生え抜きのあいさつに喜んでいた。

ビジターゴール裏に深々とお辞儀をする國分(左)

大分サポーターに拍手を送る國分(左)

大分サポーターが喜んでいたと伝えると國分は「ここまで育ててくれて、ユースもそうです。トップチームでもプレーさせてもらって、たくさんのサポートをしてもらった。きょうはこういう形で元気な姿を見せることができたと思う。また一緒にJリーグを盛り上げられたらと思います」と感謝していた。

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大分を破った山形は11日午後2時にアウェイでV・ファーレン長崎と対戦する。「連勝あるのみですね。また相手の形が変わったり、相手の特徴も変わってくる。まずそこをやる中で、自分たちの強みを生かせるような心と頭と体の整理をしたいと思います。いままでやってきたことが結果につながっているので、それを続けていく」とJ1復帰のために身を粉にして今季2度目の連勝へと導く。

(取材・文 高橋アオ)

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