[J2第9節FC今治 0-0 ベガルタ仙台、4月12日、宮城・キューアンドエースタジアムみやぎ]
今治は仙台とドロー決着に終わり、リーグ戦8試合無敗を継続した。相手の堅守に手を焼く形で、得点ランキング7ゴールでトップタイの今治FWマルクス・ヴィニシウス、FWウェズレイ・タンキのブラジル人ツートップが不発に終わった。
それでも左ウィングバックで先発出場したMF近藤高虎(たかとら)が豊富な運動量を生かして攻守に存在感を見せ、試合終了の笛が鳴るまで激しく奮闘してクリーンシートに貢献した。
今治の小さな巨人が奮闘
身長163センチと両軍最低身長タイの近藤は大きな存在感を魅せた。攻めれば深く切り込むドリブルからのカットインで相手守備陣を翻ろうし、守れば粘り強く相手をマークする守備でピンチを防ぎ続けた。その存在感はまさに小さな巨人と言ってもいいほどだ。
ただ近藤の奮闘空しく、最後までゴールネットが揺れなかった。
「なかなか崩せなかったところが、本当に課題になってきます。ゴール前まで行けているチャンスもあったので、少ないチャンスでも決め切らないといけないと思いました。
攻撃のところは何本かクロスを上げるチャンスはありましたが、相手の足に当たりました。もっとクロスを上げられる選手になっていけば、ヴィニやタンキが合わしてくれると思うので、そこが課題になりますね」と、決定機を演出できなかった背番号9の表情は曇っていた。
この日は仙台にボールを保持され、二次、三次攻撃と手厚い攻撃に苦しめられた今治イレブン。被シュート10本を受けるも、最後まで集中力を切らさずに決定機を阻止し続けて8戦負けなしをキープした。
背番号9も守備面に手応えを得ている。「守備のところでは攻められる時間帯も多かったですが、全員が体を張って守れたので守備陣に感謝しています。守備のところではプラスになったんじゃないかと思っています。個人的にサイドでの1対1には絶対に負けないことを意識しているので、きょうも守備の部分では勝てていたんじゃないかと思います」と胸を張った。
試合後の記者会見で今後のテコ入れを問われた倉石圭二監督はサイドアタックに言及した。サイドから鋭い攻撃を見せた近藤は、指揮官の期待に応えようと攻撃の質を追求する構えだ。
「シュートのところでも行けるチャンスはありましたけど、枠内を狙うところをもっと練習しないといけないと思いました。クロスからの得点が多いので、そこは武器として持っていますが、きょうの試合ではあまり上げられなかったので得点につながらなかったと思います。
カットインからのクロスだけじゃなくて、縦に勝負してクロスと、両方見せていかないと相手も分かってくるので、その両方のプレーを見せながらやっていきたいです」とより攻撃の改善を目指す。