佐野海舟が所属するマインツは、30日に行われたブンデスリーガ第27節のドルトムント戦に1-3で敗れた。
今季4位と躍進するマインツとは対照的に昨季のCL準優勝チームであるドルトムントは10位と苦戦中だが、この日はまさかの秘技を繰り出したことが話題になっている。
コーナーキックから2点を奪ったのだが、キッカーを担当したのが、191cmの長身DFニコ・シュロッターベックだったのだ。
彼はドイツ代表として2022年W杯で日本代表とも対戦した選手。センターバックだけでなく、左サイドバックでもプレー可能で、左足のキックも武器のひとつ。
ドルトムントによれば、シュロッターベックがコーナーキックを蹴るのはブンデスリーガ149試合目で初めてだったそう。この日は5本蹴ったうち2つがアシストになり、自身初の1試合2アシストも記録。
スポーツディレクターのセバスティアン・ケールは「シュロッターベックは人生で初めてコーナーキックを蹴ったが、とてもうまくいった。我々は練習を続けてきたが、セットプレーで流れを引き寄せられたのは嬉しい」と話していた。
また、同僚FWマキシミリアン・バイアーも「左足が必要だったけれど、彼が唯一の存在だった(笑)彼の左足が優れていることはすでにわかっていたこと。今日はそれを確認できたね」とコメント。
一方、シュロッターベック本人はこう説明している。
「ダニエル(・スヴェンソン)が今週コーナーキックを担当していたが、その後少し体調が悪くなったみたいだ。そうなると、左利きの選手は自分とカリム(・アデイェミ)の2人しか残っていない。
監督はこう言った。『バイエルン・ミュンヘンにはかつてセンターバックでプレーする左サイドバックがいた。ホルガー・バードシュトゥバーだ。彼もコーナーキックを蹴った、うまくいけばいいのだがね』と。今日はトレーニングと同じようにトライしようとした」
現在、ドルトムントを率いるニコ・コヴァチ監督は、かつてバイエルンを率いた経験がある。指揮官はこう述べていた。
「チームメイトの中には『彼はバートシュトゥバーじゃない』と言う人間もいた。だから私は『見ての通りだ』と言ったのさ。我々は左利きのキッカーを探していたが、シュロッターベックは明らかに素晴らしい左足を持っている。
センターバックがコーナーキックやフリーキックを蹴るのは普通ではないが、我々が今日彼を選んだ理由はわかるだろう。今日だけでなく、これからもそうさ」
シュロッターベックがアシストしたコーナーキックは、いずれも右側から蹴ったもの。ゴールに向かってインスイングするボールを蹴る左利きのキッカーが不足していたという事情もあったようだ。
ただ、シュロッターベックは終盤にイエローカードを提示されたため、5日のフライブルク戦は累積警告によって出場停止になる。