B契約の実情と廃止へ
このB契約は契約トラブルが発生しやすい契約形態といわれることがある。前述したようにC契約の制限を超過した場合、A契約と同条件で契約を結べるからだ。具体例をフィクションで説明する。
強化部「きみは今季30試合に出場して、献身的に攻撃と守備に参加してくれた。平均走行距離もリーグトップ10に入っていた」
選手「ありがとうございます」(お、評価が高いぞ!?)
強化部「年俸も100万円増額することに決めたよ」
選手「ありがとうございます!!!」(これは来季A契約だな)
強化部「だからうちと契約を更新して来シーズンはクラブの顔になってくれ!」
選手「ありがとうございます!」(やったー)
というやり取りがあるとする。ただふたを開ければB契約での提示だった。
選手「B契約…」
代理人「なにがクラブの顔だよ!!ふざけるな!!」
※(このやり取りはフィクションです)
といったやり取りがサポーターが知り得ない舞台裏で起きているかもしれない。実際にJ1、J2クラブであっても出場時間が短い選手の契約更新や、下部リーグからステップアップ移籍した選手がB契約で加入するケースもあるという。
B契約はA契約と比べて年俸の制限があり、選手登録数の制約がないため、クラブの事情によってB契約からA契約に移行できない選手も多くいると複数関係者が話していた。このAとBの壁は大きすぎる格差となっており、選手の不満の種になっているようだ。
ただこの状況は改善する傾向にあるという。昨年9月24日に実施された2024年度第8回Jリーグ理事会でプロ契約におけるABC区分の撤廃が決議され、2026-27年シーズンから現行のABC区分のプロ契約を撤廃して、新たなプロ契約形態に移行する案を会見議事録上に公開した。
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A契約とB契約の格差はなくなりつつあるようだ。ただ現行のプロ契約形態を変更するには今後多くの調整が見込まれるため、どうなるかは不透明だ。サポーターの知り得ないところで苦労している選手たちが幸せになる結果になってほしい。