サポーターと関係者の“認知の差”

サポーターやファンは「この選手は出場時間が超えたからA契約だな」「この選手は4年目だからA契約だよね」とC契約の制限を超えた選手は自動的にA契約選手になると思い込みがちだ。

しかし、一度立ち止まってほしい。C契約の制限を超えた選手はA契約またはB契約を結ばなければならない。つまりC契約からA契約とB契約への移行条件が同じなのだ。

そのためサポーターやファンがA契約だと思っている選手が、実はB契約である可能性がある。誰がA契約でB契約であるのかは当事者と一部の関係者しか知らない暗黙知であるため、応援しているクラブのA契約選手数はサポーターがどう頑張っても知り得ない情報なのだ。

この認知の差によって生まれた悲劇をフィクションで説明する。例えばとあるJリーガーが出身中学の同窓会に招待された。このフィクションに出てくるJリーガーはB契約選手とする。

同窓生「おー、久しぶり!お前Jリーガーになったのか。すごいな!?」

選手「ありがとう!もっとすごい選手になるよ」

同窓生「Jリーガーか。夢があっていいなー。サラリーマンの俺は年収500万円くらいだから悲しいよ」

選手「ははは、そんなことないよ。もっと頑張るよ」(俺よりもらっている。夢がないな…)

※(このやり取りはフィクションです)

こんな悲劇的な同窓会が起きないことを願いたい…

といった具合にプロ選手であっても年俸460万円以下のJリーガーは意外といる。そのため選手登録制限がなく、年俸も低いB契約選手はクラブにとって非常にありがたい契約だが、選手にとっては非常にきびしい契約形態だ。