2026年W杯に向けたアジア最終予選で日本代表と同じグループCを戦っている中国。
その中国が新たな帰化選手として代表入りさせようとしているのが、元Jリーガーのセルジーニョだ。
2018年から2019年まで鹿島アントラーズでプレーしたセルジーニョは、29歳のブラジル人MF。
2020年から中国でプレーしており、在住5年を迎えることから帰化手続きが進められていた。ただ、『Sohu』によれば、帰化手続きが停滞してるため、3月の代表招集は厳しくなったという。
同紙は、中国では二重国籍が認められていないため、セルジーニョは保有するブラジル国籍とイタリア国籍を破棄する必要があることなどから、事態は複雑になっているとしている。そのうえで、こうも指摘していた。
「セルジーニョのケースの特殊性は、単に孤立した事例ではなく、今後の中国サッカーの発展にとって重要な方向性を探るものでもある。
過去の帰化の事例を見ると、エウケソンにしろ李可(ニコ・イェナリス)にしろ、彼らの加入はチームに即効性をもたらしたが、中国サッカーのユース育成システムや人材供給システムを根本的に改善することはできなかった。
帰化に頼ることは戦闘力向上の近道ではあるが、大規模に展開するのであれば、ルール作りやシステム再構築の面でより統一的なモデルを構築する必要がある。
国際的な経験から、日本やカタールのように成熟した形で完成している帰化政策の成功の鍵は、政策設計と実施の高度な連携にある。
帰化選手については、国内援助や代表チームのステータスを制度上の現地化から切り離すことも、今後の中国サッカー界が参考にしつつ、実験する価値があるものだ」
帰化選手はあくまでも短期的なチーム強化にしかならず、「長期的には、中国サッカーは帰化と若手育成のバランスを取り、徐々に安定した階層システムを形成する必要がある」とのこと。
近年代表チームが弱体化している中国が抱える帰化戦略に対するジレンマは何度も伝えられてきたが、再燃しているようだ。
中国は3月にサウジアラビアとオーストラリア、6月にインドネシアとバーレーンとのW杯予選を戦う。