外国籍選手枠撤廃の恩恵を受ける東南アジア勢
東南アジア勢のクラブは外国籍選手枠撤廃の恩恵を最も受けている。
6位のマレーシア1部ジョホール・ダルル・タクジム(以下JDT)がACLE開幕から6試合で起用したマレーシア人選手は6人のみだった。
JDTは先発のほとんどを外国籍選手で固め、長年東南アジアのチームが課題としていたいたフィジカル面を解決した。
その結果、今シーズンのACLEでは中国勢に1勝1分1敗、韓国勢に1勝1敗と東アジアのトップクラブと互角以上の戦いを見せている。
一方でマレーシア出身のFWアリフ・アイマンはACLE6試合でチームトップの4ゴールを挙げている。
同選手の台頭はマレーシアサッカー協会が帰化政策だけにとらわれず、自国出身選手の育成の賜物だろう。
タイ1部ブリーラム・ユナイテッドは決勝トーナメント進出圏内の8位につけている。
そんなブリーラムが所属するタイ1部は外国籍選手を9枠(AFC外5人+AFC枠1人+ASEAN枠3人)登録できる。
ブリーラムは外国籍選手枠の制限がないACLEでは外国籍選手を最大限に活用しており、先月26日に行われた川崎との一戦では7人の外国籍選手が先発した。
ブリーラムのASEAN枠選手はGKニール・エザリッジ(フィリピン代表、イングランド国籍保有)、DFディオン・コールズ(マレーシア代表、ベルギー国籍保有)というように、東南アジア以外の国で生まれ育ったいわゆる「逆輸入」の選手が登録されている。
ブリーラムは、開幕戦で神戸に引き分けると、その後のセントラル・コースト・マリナーズ(オーストラリア1部)、浦項との試合に連勝した。
サウジアラビア勢が上位を独占している状況や東南アジア勢がフィジカルで韓国やオーストラリアのクラブ相手に簡単に負けなくなった点は、外国籍選手枠撤廃の恩恵を受けているだろう。
また、UAEのクラブや東南アジア勢を見る限り、今シーズンは外国籍選手枠の人数よりも、いかに「国外出身の選手」を自国の選手登録に多く迎え入れられるかは成果を挙げる鍵となっているように感じた。
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