母校が同じ先輩DFからの言葉

期限付き移籍先の千葉でコンバートを経験し、慣れないポジションで奮闘したが、シーズン終盤には苦い思いを経験した。それでも不平不満を漏らさずに、最後の最後までチームの和を重んじる振る舞いを見せた背番号19の強さはどこからくるのか。

岡庭は、今季途中から千葉にやって来た先輩DFの言葉を教えてくれた。

J1ジュビロ磐田で活躍し、今夏に期限付き移籍で千葉へ加入した明治大の先輩DF小川大貴と頻繫にコミュニケーションを交わした。

DF小川大貴

明治大を卒業し、愛するクラブから飛び出したという共通点を持つ二人は、「どうすればチームがよりまとまるのか」、「相手にとって怖いプレーとは何なのか」など、お互いのサッカー観について深く話し合っていくうちに、一つの結論にたどり着いたという。

「『結局、サッカー選手は気持ちだよね』と言われて…それを聞いたとき『あぁ、そうだよな』と納得しました。想いが乗ったプレーには重みがある。それで出られるかどうかは分からないけど、プレーの質とかこだわり、ピッチ外でも想いが表れると思うんです。思い返せば、いままで出会ってきた先輩方も、そこは大事にしていました」

25歳は「いまより、もっと必要とされるような、熱くて、強い選手になりたい」と青写真を描いている。目標としていた先輩たちを超えていき、プレイヤーとしてもっと成長したいという熱い想いが、ピッチ内外での振る舞いに表れていた。

千葉での日々は、決して順風満帆なものではなかったが、新たに見つけた自分の可能性に前向きな気持ちを抱いている。背番号19は「本当にいいチームだった」と、イレブンへの感謝を述べながら、来季への決意を語った。

「新たに1個前のポジションで、限界をつくらずにやって来られたと思います。選手としての想いは毎年のように強くなっていますし、その中で僕は成長していきます」

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J2の舞台で新境地を開いた男は、いかなる逆境でも倒れない。岡庭愁人は、誰よりも熱い気持ちを持って、未知のキャリアを力強く進んでいく。

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