元日本代表でJ1横浜F・マリノスのレジェンドである中澤佑二氏が、J1第38節横浜FM対名古屋グランパス戦の会場に登場。株式会社セガから、2025年3月に発売が予定されている『Football Manager 25(フットボールマネージャー25)』のイベントに出席し、サポーターとの交流を楽しんだ。
『Football Manager』とは、セガと英国の開発会社・Sports Interactiveによる人気サッカーゲームだ。地元のセミプロチームから世界有数の名門クラブまで、好きなクラブの監督としてチームをさらなる高みに押し上げていくことが目標の“比類なきリアルサッカーのシミュレーションゲーム”となっている。
(取材・文 浅野凜太郎)
中澤佑二監督ならば、こんな風にチームをつくる
ーー中澤さんは、サッカーゲームにどのような印象を持っていますか。
「おそらく俊輔(中村俊輔、現・横浜FCトップチームコーチ)みたいにサッカーが本当に好きなタイプは、試合のことを考えてゲームをするんですよね。自分たちと対戦相手のフォーメーションを入れて、そのまま試合をしたときにどんなミスマッチが生まれるかとか、ギャップがどこに生まれるかみたいなことをやっている。
でも僕はとにかく点を取りたい。足が遅いうえにヘディングしかできないんですけど、とにかくクロスを上げてヘディングで点を取っていましたね。純粋にサッカーが楽しくて、ゲームではフォワードとして点をバンバン取りたい人もいるだろうし、ストレス発散としてやっている人、サッカーのことを考えてやっている人とか、いろいろと分かれると思います」
――フットボールマネージャーは監督としてチームを高みへ導いていきますが、もしも中澤さんが監督をされるとしたら、どんなチームをつくっていきますか。
「僕はいまある素材でチームをつくる方ですね。自分の理想を選手に当てはめるというよりは、いまある素材(選手たち)で、どんなサッカーをしようか考えるような監督になると思います。もしも監督をやるとしたら、理想もあるとは思いますが、自分たちの戦力でどんな戦い方をすることが、その子たちにとって1番合っているのか考えていきますね」
――どのようなマネジメントをしていくのですか。
「例えばシーズンが終盤ならば「ケガをしたくない」とか、「オフの期間中にどこかへ行きたい」とかを考える選手もいるでしょう。でも、まずはとにかく試合に勝ちたいというモチベーションがある選手を起用します。
正直、オフのことを考えている選手は使いません。それは(シーズンが)終わってから考えるべき。普段の練習からプロとしてやるべきことをやって、言われなくてもできる選手を使う。日頃から自分の筋はそこに持っていくかな。
だから試合の日に、改めて何かを言うというよりは、ファンの方もたくさん来てくれる中で、ホームで最終節を迎えられる喜びだったり、ファンの方に笑って帰ってもらうために、『勝ちに行くよ』とだけ伝えると思います」
――いろいろな監督のもとでプレーされてきたと思います。その中でも思い出深い監督はどなたですか。
「みなさん思い出深いですし、それぞれ個性がありました。でもトルシエは間違いなく1番のインパクトでした。
あそこまで露骨にメディアと選手に対してアピールできる監督は日本にいませんでした。当時は僕も若かったからムカついていましたよ(笑)。でも、いま思えばあのやり方もアリですよね。面白いと思います。ちなみに、きちんと謝罪はしてもらっていて『あのときはそういうチーム状況だったから…。本当はお前を使いたかった』なんて言ってもらいました。社交辞令かもしれないけれど (笑)」