[J2第34節ジェフユナイテッド千葉1-0ザスパ群馬、5日、千葉・フクダ電子アリーナ]

千葉は群馬に1-0で勝利。暫定的ではあるが勝点55で、J1昇格プレーオフ(PO)圏内の4位に浮上した。

陣形を4-2-3-1にして挑んだ千葉は、前節の愛媛FC戦で先発起用していたFWドゥドゥとMF横山暁之(あきゆき)のみを入れ替えた布陣で戦った。一方、既にJ3降格が決定している群馬は3-4-2-1を基本の陣形としながらも、守備時は4-4-2の陣形でショートカウンターを狙った。

前半は、コンパクトに守りを固めた群馬に対して攻め手を欠いた千葉。6分には自陣ゴール前でフリーキックのチャンスを与えてしまったが、群馬FW川本梨誉(りよ)の弾丸シュートはGK鈴木椋大(りょうた)がセーブ。その後も惜しいチャンスをつくられたホームチームだが、高い集中力と身体を張ったプレーで失点を許さなかった。

すると前半33分には左サイドにいた千葉FW田中和樹がスルーパスに反応すると、そのままペナルティエリア内へ切り込んで相手DFの股を抜くパスを横山へ供給。パスを受けた横山はシュートを放ったが、相手DFにブロックされた。ボールはくしくも2試合連続得点中のFW小森飛絢(ひいろ)の前に転がり、エースが左足ヒールシュートで先制点を奪った。

この決勝点で得点ランキングトップの小森は今季22点目を獲得。J2得点王争いを繰り広げている17ゴールでランキング2位を走るいわきFCのFW谷村海那(かいな)を突き放した。

後半はこう着状態が続き、両チームとも得点が遠かった。

サポーターが掲げた横断幕のメッセージ『この悔しさを絶対に忘れるな。一年で戻るために、ここから這い上がれ!』に応えたかった群馬イレブン。後半アディショナルタイム(AT)には、GK櫛引政敏(くしびき まさとし)を千葉のゴール前まで上げて、セットプレーから同点弾を狙った。

決死の想いでゴール前に放り込まれたボールは千葉の守備陣に跳ね返されてしまい、群馬は自陣ゴールが無人の状態に。左サイドでクリアボールを拾った千葉DF岡庭愁人(しゅうと)が、そのままサイドを駆け上がろうとするも、最後は群馬MF仙波大志が岡庭に手をかけて倒してしまった。

このプレーは笛こそ鳴ったものの、カードが出されなかったため千葉イレブンは猛抗議。一時は両チームによる取っ組み合いにまで発展し、ATは予定の3分を超過。最終的に試合は99分台に終了した。

試合後、千葉の小林慶行(よしゆき)監督は「内容がいいわけではなかったと思います。自分たちが積み上げてきたものを、前半はまったく出せていなかった」と、拮抗したゲーム展開を振り返った。

そのうえで、3連勝を果たした選手たちについて「最後の最後で相手にやらせなかった。粘り強さという面で選手たちがたくましくなっている」と健闘をたたえた。

一方、5試合連続勝ちなしとなった群馬の武藤覚(あきら)監督は「降格圏で終わってしまい難しい状況でしたが、選手たちはトライしてくれた。最後までゴールに向かう姿勢を出せていたと思います。

サポーターのみなさんからは、『次も頑張って』と声をかけてもらいました。それに応えられるように、次の北関東ダービーは勝利にこだわりたい」とシーズン終了まで戦い抜く姿勢を示した。

10代での日本代表入りを本気で狙うべき5名の逸材

千葉は19日午後2時からホーム・フクダ電子アリーナでJ2ヴァンフォーレ甲府と対戦し、群馬は20日午後2時にホーム・正田醤油スタジアム群馬でJ2栃木SCと対戦する予定だ。J2は残り4試合。両チームの状況は違えど、勝利を目指し続ける気持ちは同じだ。

(写真・文 浅野凜太郎)

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