身長161センチのアサシン

先月14日にJFLラインメール青森を双方合意の上で退団したMF青木駿汰は先月25日に三重へ加わった。JFL出場数は通算5試合と少ないが、運動量とスピードを併せ持ったアタッカーだ。相手の虚を突いた2列目からの抜け出し、マークを外す技術、ウイングバックやサイドバックもこなせるポリバレントな才能も持ち合わせる。

練習中に素早い寄せを見せた青木駿(右)

指揮官は「駿汰はボールを受けるために何度もポジションチェンジや動き直しができる。見本になるような選手になると思います。小さい選手の強みをしっかりと持った選手なのでチームに貢献してもらいたいです」と期待を寄せた。

実直かつ真面目な人柄であり、攻守で手を休めるシーンはほぼ見られない。身長161センチとチーム最小サイズだが、相手からすれば対応しづらいサイズ差なためペナルティエリアに侵入されれば厄介極まりない。ゲームから消えるように動き出し、突如チャンスシーンに顔を出すプレーはアサシン(暗殺者、刺客)そのものだ。

青木駿は「背後の抜け出し、推進力が自分の武器。そこを何回も出して、複数得点に絡めればと思っています。この時期の加入なので求められていることは結果だと思います。チームが求める複数得点というところでも、どんどん絡んで勝利数を増やして、優勝・昇格に貢献できたらと思います」と意気込んだ。

三重といえばJFL屈指の熱いサポーターであり、統率の取れたコールリードやチャントはJリーグクラブのサポーターと比較しても負けない熱さがある。取材時は8月上旬と入団して間もなかった背番号23だったが、サインなどのファンサービスにも取り組んだ。

「サポーターの熱量をすごく感じて、温かいチームだと思います。選手もストイックで真面目な選手も多い印象を受けていて、毎日がすごくいい刺激になっています」と新チームでのプレーに喜びを嚙みしめている。

三重の宿敵であるJFLアトレチコ鈴鹿クラブには金沢星稜大(石川)時代に北信越大学1部リーグで競い合ったMF濱名真央(J3松本山雅FCから期限付き移籍、松本大出身)が在籍している。

「大学時代からライバル的な関係でしたね。三重に2つのチームがあるので、本当の意味でライバル的な関係性だと思う。リスペクトしつつもしっかり勝って倒したいです」と宿敵からの白星奪取を誓った。