高校生年代のクラブユースチーム日本一を決める第48回日本クラブユース選手権U-18が22日に開幕。熱中症対策のため、同選手権史上初となるグループステージ(GS)の夜間ナイター開催が行われた。

昨年7月27日午前8時46分から開催された同選手権ラウンド16の横浜F・マリノスユース対横浜FCユース戦(会場は群馬県・伊勢崎市華蔵寺公園陸上競技場)では、気温44度を記録する中で試合が行われ、ハーフタイム時は日本サッカー協会(JFA)の熱中症ガイドラインの基準を超えている状況にも関わらず試合が続行された。また、この日群馬県内で気温40度以上を計測した試合は前述した1試合を含めて計6試合あった。この状況を昨年Qolyは批判記事を掲載し、社会的にも当時は問題視された。

今年の同選手権は熱中症対策の観点から群馬、大坂、山口、宮崎と会場を分散し、午後5時に第1試合、午後7時に第2試合とナイター開催を実施。

大会関係者は「去年の大会で気温が朝8時45分キックオフで気温が44度と、とてつもない高温で試合が開催されたことで社会的にも問題になりました。『その中で試合をやることはどうか』が問題に上がりました。

試合をやるとしたら涼しいところ(試合会場)という意見もありましたが、場所がなかなかなかったので、分散開催という方式を取りました。涼しくなる午後5時以降のキックオフをJFAの方も暑熱対策に沿った開催方法をとりました。

準決勝、決勝は昔から(神奈川)三ツ沢球技場や群馬でも夜の開催はありましたけど、予選リーグから夕方開催は初めての試みとなります」とアスリートファーストの視点に立ったナイター開催の経緯をていねいに説明した。

夕暮れの中で開催された第1試合

昨年7月2日に40歳以上の選手が参加する埼玉県玉県シニアサッカーリーグO-40の公式戦終了後に炎天下の中で42歳男性がサッカー場で倒れ、息を引き取った。JFAはこの事態を重く受け止めて、熱中症対策の周知徹底をより強化している。死者が出る前に徹底的な対策を講じなかったJFAの姿勢に疑問符がつくが、熱中症対策の強化によって各地域連盟などの熱中症対策が進展している。

この日群馬県前橋市・ロード宮城総合運動場で開催された2試合は落雷の影響で、第1試合の大宮アルディージャU18対ファジアーノ岡山U-18戦は前半35分のみの開催とった。第2試合のヴィッセル神戸U-18対川崎フロンターレU-18戦は中止となったが、23日に翌24日午後6時に再試合が行われることが急きょ発表された。