指導者の声、選手の声
GSロード宮城会場第1試合の大宮U18対岡山U-18戦は激しいゲリラ豪雨と落雷のため試合時間を遅らせて午後6時15分、気温25度の中で前半35分のみの開催となった。結果は両者激しい攻防を見せるも0-0のスコアレスドロー決着となった。
この日先発したMF菊浪涼生は「比較的に午後は涼しくなってきているので、(例年より)やりやすくなっていますね」と今大会初のGSナイター開催を振り返った。
群馬は夏にゲリラ豪雨が頻発する地域であり、夕方開催は落雷といった新たなリスクによって試合に水を差されてしまった。「高校最後の(クラブユース選手権)大会なので結果を付けたかったんですけど、こういう天気だから仕方がない部分がありますね」と背番号10は悔しそうな表情を浮かべた。
落雷による事故により大きな被害を受けた事故がある。1996年8月に大阪・高槻市内で行われた「高槻ユース・サッカー・サマー・フェスティバル」の試合中に高知・土佐高のサッカー部員が頭部を落雷に打たれて、視力障害や両下肢機能の全廃などの重篤な後遺障害を負った。さらに今年4月3日には宮崎・宮崎市内で開催された試合に訪れていた熊本県立鹿本高サッカー部員18人が落雷により救急搬送される事故が発生した。
大宮U18の丹野友輔監督は「暑さは懸念材料だったので、選手が安全に安心してプレーできる環境は夕方になればなるほどいいです。ただ群馬は夏になると、こういう(落雷やゲリラ豪雨の)状況が起こり得ることは想定されていることだと思うので、雷というところも選手の安全を確保しなくてはいけない。選手の安全が第1なのでこういう状況で中断になってしまうのも仕方ないです」と話した。
この時期の前橋市内開催は暑さ対策以外にも落雷の対策も必要不可欠となるが、人命を最優先した同選手権運営の判断は英断だったという声もあった。