守備面に関しては、全ての試合を1失点以下に抑えている現状を見れば、かなり良い連携を取った守り方がイングランドはできていると考えられる。
ただ決勝戦も3バックで挑んだ場合、ラミン・ヤマルとニコ・ウィリアムスの若いスピードのある両ワイドの対応はかなり難しくなる。
スペインはオーバーラップも果敢にするため、ウィングバック1人がサイドのケアをするのは無謀である。この守備のポイントも重要である。
史上初の全勝優勝が見えているスペインは、準決勝でロビン・ル・ノルマンとダニエル・カルバハルが出場停止。プラスしてペドリが負傷離脱と、かなり厳しい状態にあった。
だが選手層の厚さで不安を一蹴。決勝へ駒を進めた。
このチームの強みはサイド攻撃。7月13日に17歳の誕生日を迎え、準決勝のフランス戦ではEURO史上最年少ゴールを記録したラミン・ヤマルと、数多くのチャンスを演出するなど大車輪の活躍を見せているニコ・ウィリアムスの両ワイドは、今大会開幕からその能力を遺憾なく発揮している。
常にサイドで脅威を与え続け、スペインの攻撃を牽引。そこに連動していくようにダニ・オルモ、ファビアン・ルイスなどが加担していくことでさらに攻撃に厚みをもたらす。これが今大会のスペインの強さの秘訣である。
守備も良い連携が取れていると言える。最前線のアルバロ・モラタからプレスをかけ、ロドリを前後に動かして相手のペースを乱し、サイドに逃げたところをサイドバックのマルク・ククレジャ、ダニエル・カルバハルが潰しに行く。
クロスボールを上げられてもセンターバックのエメリク・ラポルト、ル・ノルマンが弾き返す。この抜け目のない守備で幾多の敵を倒してきたスペインが、決勝でイングランドの攻撃陣を潰しにかかる。
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盛り上がりを見せてきた今大会もついにラスト1試合。EURO2024決勝は、日本時間15日(月)午前4時にキックオフされる。