横浜FMユースの10番を背負った男

横溝は名門横浜FMユースでエースナンバーである背番号10を背負った実力者であり、仙台大に入学が決まった際は大きな期待を抱かれた。その期待通りに1年次からトップチームのメンバーに入り、右サイドで違いを作り出すアタッカーとして東北の雄を支えている。

「プロ内定者が多くいることは知っていましたし、自分が1年から試合に出る目的で仙台大に来たので、その中で全国大会で、スカウトが来るところで活躍を目標にしていましたけど、まだインパクトを残せる活躍はできてないと思うので、目的があって仙台大に来ました」と明確な目標を抱いて東北の名門に進学した。

同じユースの同期である筑波大DF諏訪間幸成が今年3月に横浜FM内定を勝ち取り、2003年生まれ世代の横浜FMユース大学進学組のプロ内定第1号となった。

「ポジションは別ですけど、悔しい思いはめちゃくちゃある。必死になって1日1日無駄にしないように、少しでもプロに近づけるように自分が早く内定決めたい思いがありますね」

同期に負けていられないと静かに闘志を燃やす。

昨季の仙台大はJリーガーを5人輩出した世代を有していたが、総理大臣杯は初戦敗退、全日本選手権は3回戦敗退と思い描いた結果を出せなかった。

横溝は「自分のアイデアですけど、停滞したときはポジション入れ替わって相手を困惑させて、自分たちが意図的にスペースを作り出す。例えば相手がドン引きしてたらミドルシュートや、わざと落ちてきて相手を引き出して裏のスペース使うとか、自分たちからポジションを入れ替えたり、シュートを打ったり、相手を引き出すことが大事だと思います。揺さぶって相手を動かす感じです」と強敵と戦う青写真を描いた。

優れた戦術理解能力、素早い判断力、相手の弱点を見抜く分析力が背番号8の真の武器であり、自分のアイディアを正確に伝える言語化も秀でている。

「守備だったら個人の能力高い選手が全国はいっぱいいると思うんですけど、まだ自分たちは東北のリーグで失点があるので、隙を作らないようにしたいです。セットプレーもそうですけど、一つの隙がないように隙を少なくしていくところが守備の課題ですね。攻撃の課題は個で剥がしてチャンスを作れるプレーが多いですけど、コンビネーション、ワンタッチで続けて剥がしていけるとか、コンビネーションのところはもっと高めていけるかなと思います」と攻守の改善点を明かす。

インテリジェンスに秀でたチャンスメイカーは残り準備期間でやるべきことを明確に理解しており、仙台大を高みへと導くために2カ月弱でチームを全国大会仕様に仕上げる構えだ。

全国大会に向けて「優勝以外ないと思っています。個人としても得点とアシストと結果を残し続けてチームに貢献して優勝したいです」と同大史上初の日本一を掲げた。

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仙台大の賢さと推進力を兼備したレフティーはチームと共に成長を遂げて同大初の栄冠へと導く。

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