鹿児島市を中心に進められている鹿児島ユナイテッドFCの新スタジアムに関する議論。

これまでいくつもの候補地が浮上したが、鹿児島県との調整不足などもあり難航。昨年急浮上した市中心部の本港区エリア、北埠頭での整備も今年2月に断念された。

候補地の選定が白紙に戻った状態だが、今季J2に昇格した鹿児島ユナイテッドは、新スタジアム整備を前提にJ2およびJ1クラブライセンスを交付されており、今年も6月30日が提出期限のクラブライセンス申請が迫ってきている。

そうしたなか、3月27日に行われた下鶴隆央鹿児島市長の定例会見では、サッカースタジアム整備に関する質問が相次いだ。

この中で下鶴市長は、就任以来目指してきた本港区エリアなど「市中心部」でのスタジアム整備に関して、これまでの経緯を踏まえ、交通利便性の高さを前提にしつつ、早期の整備に向けて候補地の範囲を広げていく可能性を示した。

「候補地の選定については、これから県・市それぞれが考える諸条件を踏まえて進めていくことになろうかと思います。その中で、鹿児島市としては、これまでのスタジアム整備検討の経緯を踏まえ、中心市街地に人の流れを作り出すことができる…Jリーグが掲げる『理想のスタジアム』の中にある【交通利便性が高い】といったところを市としては要検討の1つとして考えております」

「候補地の選定にあたっては、さまざまな条件、要素を考慮する必要がございます。面積であったり、土地利用規制であったり、周辺環境への影響であったり。その中で、鹿児島市としては、まちづくりの考え方、これまでの整備検討の経緯、そのきっかけなどを踏まえ、中心市街地へ人の流れを作ることができる、交通利便性に優れている、そういったところを掲げております。しかし今回、候補地の選定にあたっては、スタジアム整備の時間軸を早めるため、早い段階から県と市、相互が連携協議をしながら進めていくということを(2月に塩田康一知事と)合意しております。その中で、お互いが条件を持ち寄って考えていくことになります」