――近年、女子サッカーは欧州が力をつけている一方で、アメリカでも人気が根強いスポーツです。選手にとってそれぞれどういった魅力がありますか?
サッカーのスタイルとして考えるとアメリカとヨーロッパでは違うと思いますし、一番レベルが高いのはイングランドのスーパーリーグだと思います。
ただ、盛り上がりはアメリカも負けていません。ヨーロッパで違う国を探して移籍する選択肢はもちろんありましたが、自分の場合はやっぱりアメリカの大学へ行っていたというのが大きくて、アメリカでプレーしたいという気持ちが強かったというのがあります。
結局はそれぞれの選手がどこを目指すかによるのかなと思います。
アメリカで地域に根付く「独特のスポーツ文化」
――アメリカで女子サッカーが“観るスポーツ”として定着している理由はどういうところにありますか?
大学スポーツからそうなんですけど、大学の女子サッカーの試合とかでも、3,000人くらい入ったりします。それが高校を卒業した時にアメリカに行くと決めた理由の一つでした。
日本では、たとえば高校サッカー選手権。男子は入りますけど女子の観客は多くないですし、大学のインカレも同様です。以前のなでしこリーグや現在のWEリーグでも何万人みたいなのは、ワールドカップに愁傷した頃はありましたけど、そこからは観客数が増えていない実情があると思います。
自分が初めてアメリカへ行った時、試合を観戦したらスタジアムが満員だったんです。大学の試合なのに。
とにかく驚いて、サッカーのレベルというよりその雰囲気を感じたことで「ここでプレーしたい」という気持ちを強く抱いたのがアメリカでの最初の印象でした。
地域の人たちが大学のスポーツをすごく応援してくれて。サッカーだけではなく、バスケットボール、アメリカンフットボール、何でもそうなんですけど、すごく応援してくれますし、それがそのプロスポーツも同じという感じです。
地域の人たちが応援してくれるような仕組みというか独特のスポーツ文化があります。