――川崎はボランチの選手がサイドバックで出場することが結構あります。そこに対する戸惑いみたいなところは?
複数ポジションができることに関してはすごくポジティブなことですし、僕も横浜FCの頃からサイドバックをやる機会は多々あったので戸惑いは全くなかったです。
ただ、自分のやりたいことはそうじゃないというのもあったのでそちらのほうが強かったですね。
「僕にしかできないことをやろうと思って入ったシーズン」
――2023シーズン、とくに序盤戦は厳しい戦いが続きました。シーズンの入りで足りなかったものは瀬古選手の中でどうとらえていました?
僕自身がシーズンの入りはあまり試合に出てなかったので、足りなかったことと言われてもなかなか分からないんですが、僕が試合に出るようになってから意識し始めたというか、足りていなかったんじゃないかと思ったのはやはり勝利に対する欲。そしてシンプルに“合わせる作業”です。そういうところかなと思います。
――瀬古選手が先発するようになった4月後半の浦和レッズ戦(1-1)やアビスパ福岡戦(3-1)あたりから、チームとしても変化があったように感じていました。オンザボールでもオフザボールでも瀬古選手のチャレンジングな姿勢というか、前へ進む力がチーム全体の力になっていたと思います。瀬古選手自身が意識していたことは?
いま言ってもらったように、前への意識というか、相手ありきのサッカーだと思うので「相手が嫌がるようなプレー」を選択していかなければいけません。自分たちのやりたいスタイルはあるかもしれないですが、それは結局、相手がいるから成り立つことです。
そういった意味では、自分たちも含め、逆に相手の立場になった時に「これをやられたら嫌だな」と思うようなプレーをどんどん増やしていく。それによって結果的に良い方向に進むんじゃないかとは思っていたのでそこは意識してやっていました。
――先ほどからの話にもある、川崎に染まる部分と染まらない部分。ご自身の中でその辺りは現状どのように整理されてきたと感じています?
今はそれこそ、自分の特徴を出しつつチームの色に染まれているかなと思っています。
僕にしかできないことをやろうと思って入ったシーズンでしたし、それがいい方向に進んでいます。脇坂選手にできないことが僕にできて、大島選手にできないことが僕にできて、橘田選手にできないことが僕にできる。
そういうことを考えてプレーするようになってから、自分の中でも良いリズムができて、チームに貢献できるようになってきました。それがうまくいっている一番の要因かなと思います。