厚みを増した戦力で「ミラクル」を起こせるか

攻撃はMFアレイクス・ガルシアが中心となって組み立てる試合が多い。A・ガルシアは視野が広く、正確なパスが出せる司令塔で、ピッチ上の様々な場所にボールを散らすことができる。

彼のパスを有効にするために欠かせないのがサイドの選手であり、ここまでの試合でよく起用されているのがサヴィオとヴィクトル・ツィガンコフだ。

サヴィオはスピードが持ち味のドリブラー。一対一の局面で力を発揮できる選手なのに対して、ツィガンコフは両足での質の高いクロスやスルーパス、ドリブルが持ち味であり、それほどスピードを武器にする選手ではない。つまりA・ガルシアが出すサイドによって攻撃の展開が大きく変化する。

また、ジローナはポゼッションサッカーを提唱。12試合中10試合で相手のボール支配率を上回っている。緩急のついたサイド攻撃と巧みなパスワークという持ち味がしっかりと生かされているため、得点数が増加し、チャンスを多く作れるようになったのだろう。

守備はダビド・ロペスを中心に新加入のダレイ・ブリントとエリック・ガルシア、昨季も主力を張っていたミゲル・グティエレスやヤン・コウトなどがうまく連携を取り合って守備を構築している。

ここまでクリーンシートは4試合。この数は昨季1年間でのクリーンシート数と同じである。12試合で15失点とまだまだ改善できる部分はあるが進化していることは確かだ。

今季のジローナはスタメンだけでなく、サブの選手層も厚い。全ての選手が違った特徴を持っているため交代するタイミングや選手も重要になってくる。そのタイミングなどをしっかり把握して選手を起用するミチェル監督はここまで素晴らしい働きをしていると言える。

現在の成績があるのは、ミチェル監督の中で「理想のサッカー」が固まっていて交代にしっかりと意図があることも大きな要因だろう。

ラ・リーガはバレンシアが優勝した2003-04シーズンを最後に、バルセロナ、レアル・マドリー、アトレティコ・マドリーの3クラブ以外から優勝チームが出ていない。

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もしジローナが優勝すれば、記念すべき初タイトルであると同時に、20年ぶりに“3強”以外から優勝クラブが誕生することになる。ラ・リーガはまだ序盤戦だが、ジローナが新たな歴史を刻むシーズンとなるのか注目したい。

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