ミツのために戦う覚悟と指揮官への感謝

8月19日に開催されたJ1第24節柏レイソル戦でチームの中盤を支え続けたMF齊藤未月が、左ひざ関節脱臼、左ひざ複合靱帯損傷(前十字靭帯断裂、外側側副靭帯断裂、大腿二頭筋腱付着部断裂、膝窩筋腱損傷、内側側副靭帯損傷、後十字靭帯損傷)、内外側半月板損傷と全治約1年の大ケガを負った。それでもイレブンは齊藤の想いを背負って首位を守り続けた。

――齊藤選手が全治約1年の大ケガを負って、サッカー界全体が悲しみました。佐々木選手の中で戦う心構えなどで変化はありましたか。

「だから」ということではないんですけど、ミツがああいう状況になってしまった。僕らしかいまプレーできないので、「ミツのために」と思うようにはなりました。途中までずっとほとんど主力で、僕よりスタメンで出ていました。ミツのためにも優勝して一緒に喜びたいと思っています。

――チームの状況としては菊池流帆選手が負傷したりと、負傷離脱者が多いです。チームの雰囲気はいかがですか。

正直ケガは付き物なので、それはみんな受け入れています。(人が)変わってもやることは変わらないし、雰囲気自体はずっと試合に向かっている。試合に向かうメンタリティーをみんなちょっとずつ備えていますね。

――吉田孝行監督が縦に速いサッカーをチームに浸透させています。映像を見ていてもチームの雰囲気も、吉田監督が輪になるような形ですごくいいイメージがあります。佐々木選手から見て吉田監督はどのような存在ですか。

個人的にですけど、「開花させてくれた監督」の一人です。いいときはそうですけど、悪いときでも個別で呼んでくれて、いろんなミーティングをしてくれる。個人的に本当にありがたい監督ですし、感謝しかないですね。

――佐々木選手から見て吉田孝行監督のすごさを教えてください。

チームをまとめる力とみんなを奮い立たせる力がすごいと思いますね。僕も「やってやろう」という気持ちに今シーズン毎試合なっています。

チームの雰囲気やチームのまとまりを意識していると思うので、それがちゃんとチームに浸透していることが、本当に吉田孝行監督でしかできないことだと思っている。そこがすごいなと思います。

――サポーターから「背番号13番を付けてほしい」という声をSNSで見かけます。神戸で13番といえば小川慶治朗選手、大久保嘉人選手が付けた特別な番号です。個人的な思い入れはありますか。

僕もユースのころに付けていました。13番を付けるものだと思ってやっていたので、付けられる機会があれば付けたいです。僕自身も13番という番号はすごく偉大な番号だと感じています。

――新国立での鹿島アントラーズ戦後は、サポーターとチャントを一緒に歌う場面も見られました。神戸讃歌も熱唱することがありますけど、サポーターと歌う瞬間を大事にされていますか。

一緒に歌う瞬間というよりは、ファミリーだと僕は思っている。喜ぶときは一緒に喜びますし、悔しいと思えば悔しい気持ちになります。

同じ時間を過ごしていると思っているので、同じ熱量で歌いますし、同じ熱量で悔しいと思います。(サポーターを)意識しているというよりは、家族・ファミリーみたいなものです。「サポーターが歌えば僕も歌います」という感覚でやっています。

今年はアウェイでも多くのサポーターが駆け付けてくれているので、それが絶対力になっていると実感しています。